■誰でも先生に、生徒になれる
私たちは、名古屋のまちじゅうをキャンパスにして、誰でも先生に、誰でも生徒になれる、生涯学習とまちづくりを掛け合わせた事業を行っています。東京都にある特定非営利活動法人シブヤ大学のノウハウ移転を通じた姉妹校として、2009年9月に一般市民の寄付金により開校しました。
「大ナゴヤ大学」の名前には、さまざまなエネルギーが集まり、魅力的な人の宝庫である「まち」と、世の中よりゆっくりな時間などにより、知性や好奇心に対する雄大なスタンスが存在する「大学」、それぞれのいいところをどちらも取り入れるという意味が込められています。
ここでは、まちの面白いもの・こと・人などローカルな魅力を学ぶことができます。そしてその学びを、授業などの形で共有することができます。

毎月第2土曜日には「大ナゴヤの日」として、参加費無料でさまざまな授業を開講。

また、名古屋城と一緒に行っている「城子屋」など、他の機関と組んだ企画もあります。

2022年4月からは、「まちシル」というまち歩きの企画をスタートしました。歴史や建築など特定のテーマを掲げるのではなく、地域の人にご案内いただきながら、そのまちを丸ごと俯瞰的に見てみようという企画です。大ナゴヤ大学らしいオリジナルコンテンツとして、今後も継続的に行いたいと考えています。


授業には、10代から高齢者までさまざまな人が参加。「知らなかったことを知れた」「人と関わる中で、自分になかった視点をもらえた」などの声をよく聞きます。

授業の企画、運営の中心となっているのはボランティアスタッフです。それぞれが授業コーディネーターとして、自分がやりたいことや興味のあることから授業を企画し、周りのスタッフがサポートしていきます。
メンバーの普段の職業は、社会人や学生などさまざまです。出産のため一度離れたメンバーが戻ってきて、子育ての中で自分が抱えた課題をもとに授業を企画したこともありました。人生の変化の中でやりたいことを見つけ、自分ごととして皆で学べる場がつくれている気がして、印象に残っているできごとです。

■地域でチャレンジできる場づくり
こうした活動の大元にあるのは、一人ひとりが地域でチャレンジできる環境をつくりたいという思いです。
私たちは「あなたがいれば、カタチが変わる。」という理念を掲げています。学んだり、それを共有したりすることを通して、一人一人が地域の主役になり、主体的に地域を盛り上げるような場づくりを、継続的に行っていきたいのです。

■ボランタリーな形でも、継続的に運営できる組織を
上記のような場づくりをボランタリーな形で続けていくのは、簡単なことではありません。
最近改めて始めたのが、ボランティアスタッフの組織づくりです。役割分担について話し合い、仕組みを一緒につくったり、スタッフミーティングのファシリテーションや懇親会の企画などを、関心のあるメンバーに一緒に行ってもらったりしています。
そうした組織づくりを通した学びも、ボランティアスタッフの中に生まれるといいなと思います。そして、継続的に大ナゴヤ大学の運営ができる組織をつくっていきたいと思います。

■主体的に学び、地域で活躍する入り口であり続ける
スタートから15年以上が経ち、社会は少しずつ変わっていますが、学びは人間にとって切り離せないことに変わりはありません。学び続けること、新しいものに出会うことで生まれる変化や人とのつながりは貴重なものです。だからこそ、学びをもっと楽しく、主体的にできるといいなと思います。
そして、まちを舞台に活躍したり、チャレンジできたり、自分なりの関わり方を見つけたりすることが、当たり前にできるような社会や地域ができるといいですし、私たちがその入り口になりたいと思います。

私たちに興味を持っていただいたら、まずは大ナゴヤ大学の場を、生徒として体感していただければと思います。いいなと思ったら、ぜひボランティアスタッフに手を挙げていただきたいですね。授業づくりはもちろん、運営も含めて興味のある人が参加してくださると嬉しいです。活動を通じて、東海圏で活躍している人、チャレンジしている人など、さまざまな人とつながることもできます。