カマドブリュワリー - 東海ヒトシゴト図鑑

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カマド
ブリュワリー

カマドブリュワリー

「個」を掛け合わせてビールだけでない新しいものを生み出し、東濃の魅力を発信

ビールを通してまちの関係人口を拡大し、癒されておいしいクラフトタウンに

私たちはこんな会社です

■ビールと地域資源を掛け合わせると、新たな魅力が見えてくる
私たちは岐阜県瑞浪市釜戸町(かまどちょう)クラフトビールを作っています。ただビールを作るだけではなく、岐阜県東濃地方の魅力を全国に伝えたいと考えている会社です。ビールの醸造に加えてビアバーの運営、ビアツーリズム、空き家を活用したゲストハウスの運営なども行っています。


私たちの会社はJR釜戸駅の近くにあり、名古屋から乗り換えなしに約1時間で着きます。
瑞浪市は美濃焼の産地です。釜戸町では昔、美濃焼の釉薬に使う釜戸長石を産出していましたが、昭和40年代にはほぼ閉山。人口はこの20年で以前の3分の2ほど、約2300人にまで減りました。それに伴い、空き家が増えています。

この地域で会社を立ち上げたのは、一つは社長の故郷だったから。そして、立ち上げた3人の出身地の真ん中あたりだったからです。
社長は釜戸町出身で、テレビ局や青年海外協力隊、広告代理店での地域創成プロデューサーなどの経験があります。宮城県石巻市で、ビールを通してまちづくりをしている方の姿を見たことが開業の構想につながりました。東京から東濃へ通いながら構想を練る中で出会ったのが、岐阜県中津川市出身で、国内で初めてハイアルコールビールや自然酵母を利用したビールを醸造し「クラフトビール界のレジェンド」とも呼ばれる現在の醸造長です。

ビールは20歳以上なら老若男女が気軽に楽しめるもの。飲み会で乾杯して楽しんだり、幸せを共有したりできるものです。
私たちはビールと地域の文化を掛け合わせたり、地域ならではの副原料(ビールの味を調節する原料)を使ったりしています。
これまでに作ってきたのは、多治見のもみじや岐阜県の鮎だしなど、地域にゆかりのあるさまざまな副原料を使用したビールや、地域の風景をイメージしたビールなどです。例えば釜戸町の景勝地・竜吟の滝とビールを掛け算して「竜吟の滝IPA」とすると、竜吟の滝を新しいものとして伝えることができます。
また、運営するビアバー「ハコフネ」では、美濃焼の産地であるこの地域の陶芸家と一緒に、液種に合わせて開発したビアカップでビールを提供しています。

2024年には全国のクラフトビールが集まる「ビアワングランプリ」で、私たちの「ベルフォンセ バーレーワイン」がグランプリを受賞しました。

ただ近年、クラフトビールの醸造所は急増中。私たちが立ち上げた2020年には全国で約550箇所でしたが、現在は900箇所を超えています。
その中で、ここならではのビールは何かと考えると、地域のものと掛け合わせることは自然なことでもあります。

■空き家を活用して「ビール移住」を推進
2022年には地域の方と一緒に「空き家活用、移住推進チーム」を立ち上げました。
私たちのお店には、東京や大阪、北海道など全国からお客さんが訪れます。そんな中で、釜戸町に移住したいという相談を受けるようになりました。以前醸造所の土地を探しているときに、元市議の方に手作りの空き物件のマップを見せてもらったのを思い出し、移住希望の方とつなぐことでそうした場所を活用できないかと考えたのです。
「ビール移住」を掲げて活動する中で、私たちのスタッフや、陶芸家をはじめとする作家の方などが移住してきています。

チームには元市議の方に加え、地域の元区長会長や建築業の方などがいます。月1回の会議では、釜戸の魅力とビールをどう掛け算すると人が来るかなど、楽しみながら考えています。「乾杯」で人と人がつながり、まちも潤う、そんな未来を描いています。

■社員の「個」の掛け合わせでイノベーションを
私たちのロゴマークのカマドには、地域を支え、新たなものを生み出すという意味が込められています。そして実際に、イノベーションを大切にしています。

最近では、27年の経験があり、カレーパングランプリ金賞も受賞したパン職人が入社しました。以前ビール醸造の研修に来ていたその職人からの入社希望を受け、パン工房もない現状ではあるものの、釜戸町にとってもおいしいパン屋ができるチャンスだと考えたのです。現在は「パン飲み」のできる場所をつくりたいと、クラウドファンディングを行っています。

他にも、「ハコフネ」でかき氷マニアの社員によるかき氷の提供も始めました。ビールに合う、さまざまなメニューを用意しています。

最初はビールをつくるだけでしたが、だんだんと人が集まり、「個」の掛け合わせによって新たなものが生まれています。全国にさまざまな醸造所がある中で、私たちはクラフトマンとクラフトマンの掛け合わせでおいしいもの、楽しいものをつくり、人の心に響くようにしたいです。
会社としても、ルールを作って一定の品質のものをつくるというより、掛け算で新しいものが生まれる部分を大切にしています。社員にとっても、自分の生きがいを仕事で見つけ出せるような会社になっていると思います。

都会の大企業だと、自分が歯車の一つだと感じることも多いかもしれません。地域の企業ではもっと自由度が高く、若い世代も自分なりの表現方法、解決方法で企業や地域に貢献できるのではないかと感じています。

私たちが挑戦していることを紹介します

■これまでのスタイルにないビールを生み出したい
ビールには、IPAやバイツェンなど200種類近いスタイルがあります。私たちはそうしたスタイルにとらわれない、カマドブリュワリーならではのビールをつくりたいです。今あるスタイルではないものを生み出したいのです。コンクールでも、スタイルに合っているかという部分も大事ですが、人が飲んだときに「何これ、おいしい」と言ってもらえるような、魅力の部分で満点を取れるようなビールを目指しています。

■人と人とのつながりで地域の衰退を解決するロールモデルに
さらに、釜戸町が「クラフトタウン」になるといいと思っています。もともと職人の多いまちで、移住して来られた方にも、陶芸家やレザークラフト作家、ステンドグラス作家、イタリアンのシェフなど作家や職人が多いです。豊かな自然や日々移り変わる景色からインスピレーションを受けているようです。職人の関係人口(地域と多様な形で関わる人々)を増やしながら「癒されておいしいまち」を一緒に作っていけたらと思います。

ビールをメディアにして、地元ならではのものを再発見して伝え、人をつなげていくことは、私たちだからこそできることだと思います。空き家の活用も含め、お金ではなくソーシャルキャピタル、つまり人と人とのつながりをつくることで、地域の衰退を解決するロールモデルになれたらと思います。

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企業概要

代表者名
代表取締役 東恵理子
資本金
450万円
事業内容
クラフトビールの製造及び販売、ビアバーの運営、地域資源を活用したビール関連事業、空き家活用ゲストハウスの運営、空き家活用・移住推進
エリア別カテゴリ
岐阜東濃
業種別カテゴリ
社会教育、まちづくり食品製造業宿泊業、飲食サービス業
WEB
https://camado.jp/
住所
岐阜県瑞浪市釜戸町3154-3
アクセス
JR中央線釜戸駅より徒歩3分
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