マルハチ工業株式会社 - 東海ヒトシゴト図鑑

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マルハチ工業
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マルハチ工業株式会社

自動車部品メーカーと加工先を結ぶ仕事に加え、福祉と製造業を結ぶ仕事に挑戦

仕事や仕組みをつくり、製造業を通して福祉業界の低賃金の現状を変えたい

私たちはこんな会社です

■自動車部品メーカーであるお客様と、加工先の協力工場を結ぶ
私たちは、主に自動車部品の製造や卸売を行っています。
扱っているのは、自動車の防振の部品、つまり足回りの振動を吸収するゴムとパイプの部品のパイプの部分や、座席シートの骨格の一部の長いパイプです。

パイプの切断や、端面を滑らかにする面取りなど、加工作業の多くは、9社ある協力工場に依頼しています。そこに穴を開けたりねじ穴に加工したりと、自社での加工も一部行っています。

私たちの仕事の多くは倉庫管理や生産調整、営業管理です。お客様と、加工先である協力工場を結ぶ仕事をしています。

私たちの役割の一つが生産の「しわ取り」です。私たちは量産する部品を取り扱っていて、中には月に何十万本も生産するものもあります。こうした部品は、加工先では一気に製造する方が、効率がいいですが、お客様は一度に必要とするわけではありません。そこで、協力会社で加工したものを私たちが買い入れ、倉庫で在庫管理をしながら、お客様がその時に求める量だけ出荷するようにしています。

仕事の中では、さまざまな人とコミュニケーションを取ることが多いです。お客様や協力会社とは、直接の会話や電話、メールなどで密にコミュニケーションを取るようにしています。何かあれば軽く、いち早く相談してもらえる関係性をつくり、風通しのいい仕事をすることで、皆さんの困りごとをすぐに解決できるようにと考えています。

■協力会社全体で情報共有、協力できる関係づくり
近年では車の骨格の部品が変わることが少なくなってきました。一度受注すると、何年もその部品を製造することも珍しくありません。
その分、価格に関しては非常にシビアなところがあります。いかに少しでも安くするか、いかに同じ時間で1個でも多く切断するか、それが私たちの腕の見せどころです。
例えば、廃棄する部分を少なくしたり、早く切れる刃物を使ったり、異常で設備が止まることを少なくしたりといったことができるよう、工夫を重ねています。
私たちの場合、協力会社の1社がよりよい方法を見つけたら、私たちを通してその情報を他の協力会社にも展開し、みんなで改善していくことができます。以前は協力会社どうしのつながりはありませんでしたが、今では私たちを通して協力できる関係を築くことができています。

私たちの企業理念は「やさしい うれしい ことづくり」です。私たちがつくっているのはものですが、人と人、会社と会社の間に入って、それぞれがハッピーになれる、一回り成長できることを提供していくのが私たちの仕事だと考えています。

■福祉施設で役立つ自社製品を開発
2024年には自社製品として「tomeco」を発売しました。これは、トイレットペーパーが回らないようにして、使い過ぎを防止する器具です。

開発のきっかけは、社長の子どもがトイレットペーパーを引っ張っていたずらをしていたことでした。2020年に、町工場の集まるイベント「くだらないものグランプリ」に出品したところ、そのニュースを見た福祉施設の方から何件も問い合わせがあったのです。
施設では、利用者の方がトイレットペーパーを引き出し過ぎてトイレが詰まり、しばらく使用できなくなったり、修理費用がかかったりしていました。さらに職員の方には、除菌や掃除、トイレットペーパーをトイレに置かずに毎回手渡しするといった業務が発生していました。こうした状況を当たり前にせず、ものづくりの視点で解決できれば、職員の方が現場で嫌な思いをすることもなくなり、他の支援に時間や能力を使えるはずだと考えたのです。

それから製品化に向けて改良を重ね、現在の製品は、受賞時とは大きく違う形になっています。私たちが拠点を置く愛知県一宮市の市役所や市内の施設の協力を得て、さまざまな施設で実際に導入してもらう実証実験も実施。効果の大きいところにターゲットを絞り込みました。
生産できる量に限りがあり、広告などは行っていないのですが、発売後は毎日のようにお問い合わせをいただいています。
社内でも、製品に自信を持ってお客様に説明し、親身に対応する姿が見られるようになりました。また、購入された方のアンケートを通して、お客様の反応を身近に感じることができます。
自動車部品の製造や卸の仕事では、納期通りに納めることが当然で、感想をもらうことはありませんでした。お客様が喜んでいる姿を想像できるようなコミュニケーションがあることで、もっと福祉のために役立ちたいという考えも生まれてきました。

私たちが挑戦していることを紹介します

■「福祉×製造業」のものづくりで福祉業界に貢献
私たちが行っているものづくりを通して、福祉業界の状況を少しでも良くしたいと考えています。
弊社のマークには元々、製造の現場とマルハチ工業を結ぶという意味があります。それを受け継いで、次は福祉と製造業を結ぶ「もの」や「こと」をつくっていきたいのです。
社長を含め、社内には、周りに障がいを持つ方がいる社員が不思議と多く、社員もこうした思いに共感しています。

一つには「tomeco」のように、介護する方々が少しでも楽になるような商品を開発できればと思います。この先開発する商品では、私たちの金属加工技術だけでなく、例えば電気関係など、私たちのこれまでの土俵にはない部分も必要になる可能性があります。その中で、また新たな方々と一緒に、福祉の現場を良くするものをつくっていきたいです。「福祉×製造業」のものづくりを、私たちが中心になって広げていければと思っています。

■仕事や仕組みをつくり、福祉業界の低賃金の現状を変えたい
もう一つには、私たちのものづくりの設備や機械加工を通じて、福祉業界の仕事をつくれないかと考えて取り組んでいます。
福祉の作業所に通っている方は低賃金のことが多いです。もっと稼げるようになれば、経済的な自立につながっていきます。障がいがあってもできることを提供して、仕組みをつくっていけば、自立もできるのではないかと考えています。
一方で、私たちは同じものを大量につくっているので、箱詰めや検査など、同じ作業を繰り返すことがあります。知的障がいのある方など、同じ作業を繰り返すことが得意な方にそれをお任せできれば、今それを行っている人は、設定の変更など、より生産性の高い仕事に集中することができます。それによって、価格的に競争力があるものを製造してお客様に喜んでもらうこともでき、福祉の面で賃金を上げることもできるはずです。
現在は一宮市内で就労支援を行う作業所の方と一緒に、工場見学をしてもらいながら、どんな業務なら可能か、仕事の切り出しを始めたところです。最初は職業体験など、派遣していただく形から始めて、見通しが立てば、一緒に工場を立ち上げられればと考えています。

愛知県は製造業がさかんな地域です。そこから、こういった福祉と製造業を結ぶ取り組みを盛り上げていくことで、全国で福祉への考え方、捉え方に対して訴えかけることができればと考えています。

その段階になれば、障がいのある方への教育の仕組みづくりなど、新たな仕事も生まれてきます。製造業と福祉の両方に興味のある方にとっては、面白い現場になるのではないかと思います。

企業概要

代表者名
代表取締役 田中 好江
従業員数
7名
資本金
1,000万円
事業内容
金属部品並びに工業製品の設計・製造・復元
自動車用部品、工業用部品並びに工業製品の企画、設計及び販売
企画開発製品の通信販売
業種
商社、製造業
エリア別カテゴリ
愛知尾張
業種別カテゴリ
製造業卸売業・小売業
WEB
https://maruhachi-kk.com/
住所
愛知県一宮市木曽川町里小牧字清水54番地1
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