昭和18年創業。東海地方ならではのたまり醤油と豆味噌を昔ながらに杉の木桶で仕込んでいる数少ない蔵のひとつです。希少なたまり醤油の美味しさを残すため、OEM化や地域イベント、商品開発を続けてきました。2019年には、創業以来初めて新桶を導入し、木桶の美味しさを残したい思いを伝えています。

木桶を使う、酒、醤油、味噌といった発酵食品は加工に手間暇がかかる分高単価になってしまうため、生産量・価格共に大手の商品には敵いません。また、核家族化や外食文化が増えたことで、家庭での消費量も下がってきています。食品だけでなく、食品を作るための木桶や職人が減り、このままではたまり醤油の伝統文化そのものが途絶えてしまう。文化そのものの存続危機も考えなければいけない状況となっています。
「醤油を売る醤油屋」から「食卓に美味しさを届ける仕事」と意味を捉え直し、喜ばれる商品づくりや、結果としてたまり醤油という存在を知ってもらうような仕掛けづくりを行うようになりました。

2000年までは100％業務用に特化した卸を行っていましたが、toＣ向けに「アイスクリームにかける醤油」「たまごかけごはんのたれ」などヒット商品を開発しました。
https://tamariya.com/?mode=grp&gid=1766605
また、本来脇役である調味料を主役にする商品開発や、地域の方に醤油蔵を開放する蔵見学も行いながらたまり醤油を身近に感じてもらうイベントも行ってきました。
https://tamariya.com/?mode=cate&cbid=2605732&csid=0
グルテンフリーや、オーダーメード醤油づくりのサービスを行っていることで、お問合せ頂くことも増え、最近では海外へも当社の醤油が羽ばたいていっています。

ありがたいことに、今では全国各地のお客様からご注文をいただくようになりましたが、私たちの根底にあるものが揺らぐことはありません。伝統的なたまり醤油づくりを次世代へ。職人の技とともに、その志もしっかりと継承していきたいと思います。

電通報でも取材いただきました！
「醤油屋が、マーケティングを語ってもいいですか？」

●たまりやオーダーメード30
醤油の中でたまり醤油のシェアは1〜2%程度、木桶仕込みの醤油のシェアも1%と言われています。この希少なたまり醤油の美味しさを多くの食卓に届けるべく、積極的に動いている小売り取引先を見つける「たまりやオーダーメード30」を実施中です。

小ロット生産で特産品のオリジナル醤油を加工製造します。今まで、地域の食材ナス・しいたけ・鮎だし等の商品を開発、好評頂いています。
https://order100.tamariya.com/
自社の味に誇りとこだわりを持つ提携先を探し、商品ラインナップを広げていきます。たまり醤油ってこんなに美味しんだ！そんな声が食卓から聞こえることを目指しています。
こちらは過去参加していたインターン生・プロボノの方など、社員以外の方からの力も貸していただきながら、少しずつ発信内容のブラッシュアップやお取引先の拡大、メディア露出を増やしています。
https://note.com/frepara/n/n18a59c03e0a8

●新桶の導入
和食文化を支える発酵調味料はかつて大きな木桶を使って製造されていましたが、近年では工業化の流れとともに木桶や木桶仕込みの調味料の市場は縮小。かつてあった「酒蔵で使われた木桶が味噌・醤油屋に」という循環もなくなり、今ある古い木桶は50年後にはすべて使えなくなるといわれています。当社でこれまで使用してきた木桶はすべて中古で酒蔵・醤油蔵から購入したものばかり。これからも木桶仕込みでの味噌・醤油の醸造を続けていくには新しい桶が必要でした。その中で、文化を守っていくこと・たまりの美味しさを守っていくこと、そして100年先の人にも求められるような製品づくりをしていくため、新桶の導入を決めました。
https://tamariya.com/?mode=f10