名古屋紡績株式会社は1949年に創業しました。紡績業から始まり、テキスタイル販売からアパレル展開まで手掛けています。
主な事業内容は、糸から生地、そして衣類の製造から販売です。繊維の生まれるところから完成するところまでのプロ集団です。

当社は過去に工場も保有しており、生産機能も持っていたことから、糸や生地に関しての膨大な知識量があることが強味です。例えば、糸については何千、何万という種類を作ることができる知識と経験を持っています。社員は糸を語り出したら止まらない、一日中糸のことで議論しているほどのマニアックさと熱量を兼ね備えています。 この知識と経験によって幅広いニーズに対応できることが、お客様に選ばれる企業として地位を築き、期待に応えてきました。

創業73年の当社は、実は業界では後発企業になります。後発だからこそ、他がやらないことをやっていくという意識を持って取り組んできました。
糸の製造上で出てくる落ち綿を再利用して作った糸は、その当時ヒットした商品となりました。そういった他社がやらないような特殊なものを作ることにも挑戦してきたのが当社の特徴です。

また、名古屋紡績はケアベルデという子会社を持っており、高齢者介護施設の運営を主な業務としていますが、福祉の枠組みで発達障がい児が通う、児童発達支援事業所の運営もスタートしました。
今後は小学生を対象に生きる力を身につける教室を開設するという教育事業の展開も進めているところです。

■事業面での挑戦
現在私たちが挑戦していることは、新たな流れを自ら創っていくことです。今までは様々なニーズに応えることに注力してきましたが、これからはニーズに応えつつ、私たちから提案していきたいと考えています。そのために展示会への出展や、当社独自ブランドでの新作の提案を行っています。 国内にとどまらず、海外ブランドへの生地の販売にも挑戦していくことも、新たな流れを創る挑戦の一つです。 また、衰退の傾向をたどっていると言われている繊維産業の中で、同業企業との協業でお互いの得意なところを出し合い、業界全体のレベルを上げることにも挑戦しています。(写真：パリのコレクションにて紹介された弊社の製品）

■組織面での挑戦
①73年という歴史のなかで培ってきた知識と技術を、後世に残していくことにも挑戦しています。 糸と生地に対してのマニアックなまでの知識量は他社にはない当社の強みです。しかしながら、その知識を持つスタッフは技術を教育されたのではなく、目で見て身体で覚えていった世代。今や最大の武器となり得るこの知識を活かすことが出来ていません。この知識量を後世に残すため、社内外の若手の教育にも活用できるためのチャンネルづくりをしていきたいと考えています。
②知識やノウハウを発揮できる環境づくりのための経営層や役職者との面談を取り入れています。 社内での面談の回数を増やし自分たちから発信していくことへの抵抗を取り払い、今まで持っていた考え方のクセを少しずつ修正できるような面談になるよう心掛けています。