2023年07月09日(日)
岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-【ヤングビーナス薬品工業株式会社】
2023年07月09日(日)
岐阜大学社会システム経営学環の2024年度1年生31人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。
-企業概要-
代表者名:佐分利 清
事業内容:
医薬部外品・浴用剤の製造及び販売、化粧品の製造及び販売・家庭用品の製造及び販売並びに輸出入、上記各号に附帯関連する一切の業務
業種:化粧品製造
住所:岐阜県加茂郡坂祝町酒倉字芦渡2211-1
WEB:https://www.youngvenus.co.jp/
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学生)
これから社会に出ていく若者が、活躍するために必要なスキルや特徴は何ですか?
ヤングビーナス薬品工業:佐分利社長)
リーダーシップや考え抜くことが重要です。
特に、「考え抜くこと」に関しては、考え抜くことで、最初は大したことないアイデアでも、誰も考えたことのないものに変わり、結果として差別化が図れ、会社の成長に繋がります。意見を言った時にダメ出しをされることもありますが、そこで落ち込むのではなく、ここからがスタートという気持ちで挑むこと、また、事を成すことにどれだけ責任を持てるかが重要です。
学生)
お客さんの意見を、商品にどのように取り入れていますか?
ヤングビーナス薬品工業:佐分利社長)
私たちは、お客さんのニーズや意見に応えることも大切にしていますが、それらをそのまま反映した商品をつくることはしていません。
期待した通りの想像できる商品ではなく、自分たちのアイデアから生まれた新しい提案を元に考えることで、あっと驚いてもらえるような商品をつくることを心掛けています。
学生)
社長になったばかりの頃と今とで、会社や製品についての考え方の変化を教えてください。
ヤングビーナス薬品工業:佐分利社長)
時代の変化に伴い、従来の販売方法が通用しなくなったことで、お客様の声を直接聞けなくなってしまったことが大きな変化でもあり、1つの新しい商品の完成まで3年もの時間がかかったことが印象的でした。
また、ずっと売ってきた既存の製品を変えることで、今まで満足していたお客様や社内にネガティブな影響を与えることもわかりました。
これらの経験から、小さな成功を積み上げていくことや、やり抜く覚悟が大事だということを再認識しました。
学生)
会社経営において特に大切にしていることは何ですか?
ヤングビーナス薬品工業:佐分利社長)
会社の成功には、強固なチームワークが欠かせません。
そのため、従業員を大切にすることがまずは重要だと考えています。
ヤングビーナス薬品工業では、他企業を参考にして1か月に2回のトークタイムを導入しています。このトークタイムは、従業員同士が自由に意見交換を行い、従業員同士の関係を深めていくことを促進しており、この取り組みを通じて、従業員間の信頼関係を深め、チーム全体が一丸となって目標に向かって進むことができる環境を作り出しています。
ヤングビーナス薬品工業は「湯のある日常によって、人々の健康寿命を延ばします」という企業理念を掲げています。
この理念は、従業員が困難な状況に直面したときの道標となり、目的を持って行動するための原動力となっているようで、従業員もこの理念に向かって頑張ることで、共通の目標に向かって一致団結できているとお話を伺う中で感じました。
それに伴い、従業員の間の何気ない会話を促進していく「朝の雑談会」という取り組みも印象的でした。信頼関係の向上にもつながるし、会話の中で新しいアイデアが生まれてくることがあるとお聞きし、とても有意義な時間で素晴らしいと思いました。
私は、技術の向上は企業の成長に不可欠だと思いますが、それと同じくらい重要なのが企業の理念と目的だとも感じています。どの会社も理念を掲げていますが、それは単なる飾りではなく確固たる考えの元なのだと、改めて感じることができました。
私は「湯躍」を使ってみたとき、体がずっとポカポカと温かく、発汗量も多かったので、大変リフレッシュすることができました。しかし、入浴剤の効果というのは実際にお風呂に入って体験してみないとわからないものです。そのため、いくらパッケージが良くても入浴剤の効果がわからなければ使用してくれる人は少ないと思います。
そこでヤングビーナス薬品工業が生み出したのは「続Magazine」というWEBマガジンです。「続magazine」では、有名人に心と体のメンテナンスについてインタビューすることで、入浴剤の効果を自然な形で伝えています。
その媒体で伝えるメッセージや情報を通じて、ヤングビーナス薬品工業の商品の価値や魅力も発信しています。
入浴剤は日常生活の中で使うものであるため、入浴剤だけを紹介するのと比較して実際の人の生活の中で紹介した方が親近感がわき、読み手を引き付けることができるのではないかという考えのもと、試行錯誤しているそうです。また、入浴剤の良さを人が人へ伝えていくため、法律の範囲内で言及できない入浴剤の効果を感覚として伝えることができ、かつ普段入浴剤を使わない人が効果を把握することができるため安心して使うことができることを目指しているそうです。
「どれだけ中身が優れたものであっても、手に取ってもらわないと意味がない」という考え方に大きな衝撃を受けました。また、中身の品質だけに注力することだけでなく、消費者の目に留まり、商品を手に取ってもらえるようなデザインを作り上げることの重要性を知りました。
そして、昔からの強み、弱みを把握しながらデザインすることで、「選ぶ」というより自分の商品を理解した上でベストデザインを考えるという、中身だけでなく外見にもこだわる姿勢が魅力的だと思いました。
例えば、入浴剤のデザインを決定する際に、その商品の強みをどのように活かし、弱みをどのように補うかを分析した結果、デザインが商品の魅力を最大限に引き出し、顧客に強くアピールできるものになったそうです。私は今まで品質がよいものを作れば売れると単純に考えていましたが、品質がよいことは企業側から紹介していかないと消費者に伝わらないし、伝えるにはまず手に取ってもらわないといけないということに気づき、感銘を受けました。商品の強みと弱みを理解した上で最適なデザインを選び出すことが重要であり、このアプローチにより、商品の魅力を効果的に伝えることができるのだと思いました。
ヤングビーナス薬品工業は、50年以上長くにわたり「湯の花エキス」を配合した薬用入浴剤を製造・販売し、多くの人から愛されている企業です。
企業理念である「湯のある日常によって、人々の健康寿命を延ばす」という考えや、新ブランドである『薬用入浴剤 湯躍』は、2022年第1期『OMOTENASHI Selection』で「特別賞」の「欧米選定員賞」を受賞しており、その素晴らしい品質が評価されているのも魅力的です。
また、「続Magazine」という広く情報を展開しているWebマガジンでは有名人とのコラボレーションを通じて、普段入浴剤に興味のない方々にもその魅力を伝える取り組みを行っています。入浴剤の効果を記事の中で表現することで、効果を知ってもらう場を提供していると知り、企業のマーケティング戦略にも感銘を受けました。このように、日本の伝統である「温泉湯治」を基にした製品を通じて、人々の健康寿命の延長に貢献しているヤングビーナス薬品工業は、これからも多くの人々に愛され続ける企業なのではないかと思います。
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■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2024年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2024年度前期
■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで