有限会社志津刃物製作所 - 東海ヒトシゴト図鑑

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有限会社
志津刃物製作所

有限会社志津刃物製作所

使い手の悩みを解決するものづくりを、こだわりを貫いて実現

包丁だけでなく自転車用工具や釣具なども製造。経験の幅と量で職人育成

私たちはこんな会社です

■自社ブランドの包丁売り上げが15年で50%まで成長
私たちは、主に刃物の製造販売を行っている会社です。
私たちの本拠のある岐阜県関市は世界三大刃物産地の一つで、市内には刃物関連の企業が約100社あります。分業制が今も残っていて、私たちは刃の研削や研磨などを、グループ会社の株式会社シズテックや有限会社志津技研、そして他の協力会社に依頼しています。私たちの会社では、商品企画や生産管理、営業、そして包丁の持ち手とブレードの接着など製品の仕上げ、検品などを行っています。

創業は1959年。現在、約15年前に立ち上げた自社ブランドの包丁が売り上げの約半分を占めています。もう半分はOEM(他社ブランドの生産受託)の製品で、ハサミなどの釣り具用品、自転車用の工具などを製造しています。

販売先は国内と海外がほぼ半分ずつです。自分たちの商品がどこで販売されているのか把握できるよう、できるだけ小売店と直接お取り引きをするようにしています。
15年前に自社ブランドを立ち上げたときは販路がなく、すでに包丁を扱っている店に置いてもらうのは難しいところがありました。そこで、包丁を扱っていない雑貨店などに置いてもらえるようなものを作ることが、私たちの狙いの一つとなっています。

■使い手の視点を大切に、世の中にないものをつくることで問題解決
以前、雑談の中で、従業員に配っていた自社製品を誰も使っていないことがわかりました。女性の従業員になぜ使っていないかと聞くと「使いたいと思わない」という趣旨の言葉が返ってきたのです。
当時は先代社長と先代工場長が、プロ向けの、丈夫で重量感のある商品を企画していました。プロのシェフは男性が多いので、企画者も、使い手としてイメージしていたのも男性だったのです。実際には、使い手は軽くてデザインのいいものを求める一般の女性が多く、イメージしていた使い手とのギャップがありました。
そこで、事務を担当していた女性従業員を中心に、社内の女性だけで話し合い、研究しながら企画し、女性デザイナーにデザインしてもらってできたのが「morinoki」のシリーズです。
中でも人気のパン切りナイフは、2種類の波刃のついた、他にないスタイルです。切れ味がよく、パンくずもほとんど出ません。持ち手のデザインにもこだわっています。

他の製品でも、使う人、ターゲットとなる人がどんなものをほしがっているか考え、できるだけそれを形にすることを大切にしています。

例えば、海外の方には、和包丁の中でも鉄の酸化物が残る黒染め包丁がほしいという方も多いです。ただ、和包丁は鉄や鋼でできているので扱いが難しく、全体が錆びて使えなくなってしまうこともあります。そこで、扱いやすいステンレス製の黒染め包丁を作りたいと考え、2年以上かけて開発したのが「玄」という商品です。

また包丁は、危険だからと、使った後はシンクの下などにしまい込まれることも多いです。包丁がもっと身近な道具になってほしい、料理も身近に感じてほしいという思いから生まれたのが「TONSTON」という商品です。包丁とポット、マグネットボードがセットになっていて、菜箸や木べらなど、よく使う調理道具と一緒に包丁を収納できます。

また、こうしたものづくりにあたっては、ものができるまでの一つひとつの工程を大切にして、使う人のイメージを損なわないよう、こだわるところはこだわりを貫いています。

例えば「morinoki」シリーズの箱は、パン切りナイフの刃の波形をイメージしたデザインになっています。職人の視点からは、箱を閉じるときに引っかかりやすく、面倒なところがありますが、使い手である女性からは「あ、かわいい」「おしゃれだね」と反応があります。そこにこだわって作り、「いいものができた」という感覚がありました。

また「ゆり」という商品は、持ち手に白っぽい木を使用し、それが名前の由来にもなっています。ただ、天然の木なので色にばらつきがあり、少し赤っぽいものが届くこともあります。その際は、社内でより白い層が出るまで研磨をかけるようにしています。

使い手の視点を考え、小さなこだわりを持って、今の世の中にないものを作ることで、人々の小さな悩みを少しでも解決できればうれしいです。

私たちが挑戦していることを紹介します

■産地の強みを生かし、価格と品質のバランスの取れた商品を
関の刃物産業の大きな課題の一つが職人不足です。職人の高齢化も進み、若い働き手が求められています。
もともと私たちが自転車部品の加工を始めたのは、刃物の製造と近い技術が必要で、まとまった生産量の注文が見込めることが理由でした。そして現在まで、グループ会社とともに自転車部品の加工で職人を育て、培った技術を刃物に生かし、また刃物の技術を自転車部品加工に生かしています。そうした中で職人が幅広い技術を習得できることは、やりがいにもつながるかもしれません。

一方、市内には職人の高齢化などで廃業する会社もあります。私たちは、廃業した会社の担っていた工程を自社で行う内製化も試みています。
ただ、やはり分業制の方が効率よく多くのものを作れると思います。内製化を進めるためには、新たな機械の導入が必要です。そうすると経営上、その機械が多く稼働するようなものづくりを考えることになります。しかし自社で機械を保有していなければ、さまざまな工法を検討することができ、ものづくりの幅は広がります。
産地の生産力が落ちると、単価の高い高級品を作る傾向が強まると思います。ただ、誰もが高級品を求めているわけではなく、包丁はやはり実用品として使ってもらいたいという思いもあります。
私たちは高級品でも、より気軽に買える商品でも、価格と、それに対する品質の価値とのバランスが取れたものを作っていきたいです。そのためにも、分業制を大切にして、産地の強みを活かしたいと思っています。

■地域からの視線を意識するとさまざまな効果が
関市内には刃物製造の事業所が約100社あり、私たちの会社のことを知らない人も多いです。そんな中で少しでも地域の方との接点を増やし、自分たちがどう見られているのかを知ることは大切だと考えています。
毎年10月には、毎年約10万人が訪れる「刃物まつり」に出店。訪れる人とのやり取りを大切にしています。

また、2015年から「関の工場参観日」に参加し、社長はその実行委員会で活動しています。これは、関市内のものづくりの現場を見学、体験できるイベントで、2025年には市内の50社以上が参加しました。この目的の一つには、現場で働く人が、普段何気なくやっている仕事が外から見たときにとても価値あるものだと感じてもらい、それを仕事のモチベーションにしていくことがあります。
実際に私たちの社内でも、社外の人に見てもらうという意識から、工場がきれいになります。また、当日の企画や準備などを徐々に社員に任せるようにすると、社員のやる気が上がり、自主的にさまざまな工夫をするようになりました。社員の成長にもつながっていると感じています。

また社員の中には、この日に当社を訪れて「雰囲気がよかった」と感じたことが、求人への応募のきっかけになった人もいます。
実行委員会の活動では、こうした効果を各企業が感じられるようにすることを大切にしています。

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企業概要

代表者名
代表取締役社長 堀部喜学
事業内容
家庭用品・釣り具用品・自転車工具
チタン部品の製造販売
業種
製造業
エリア別カテゴリ
岐阜中濃
WEB
https://www.shizuhamono.net/
住所
岐阜県関市小瀬 2771番地の1
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