有限会社
大橋量器
枡を地域自慢に、持続可能な社会に寄与するものに
私たちはこんな会社です
■現代のライフスタイルに合う、新しい枡を提案し続ける
私たちは岐阜県大垣市にある、枡の専門メーカーです。枡は、もともとお米などの穀物を測るものでした。今では、宴会や結婚式などお祝いの席でお酒を入れて飲んだり、文字や絵を入れたものが記念品として配られたりしています。
大垣市では、明治23年(1890年)から枡がつくられ始めました。枡の専門メーカーは、全国でも大垣市にしかなく、大垣産の枡は全国シェアの約80%を占めています。
ただ、枡専門メーカーは、2023年に私たち1社だけになってしまいました。専門ではない会社を加えても、大垣で枡をつくるのは2社しかありません。
生活様式の変化などにより、祝い酒を枡で飲む機会は減ってきています。そんな中で私たちは、枡の技術を使った、今のライフスタイルで使える商品を開発、提案しています。
最近では、2021年に発売した「木製の冷凍ご飯容器 枡のおひつ COBITSU(こびつ)」が、累計販売数2万個を超える人気に。ウッドデザイン賞なども受賞しました。
他にも、枡づくりの過程で生まれるカンナ屑を利用した「エコ加湿器 MAST(マスト)」、底が丸い「いこいシリーズ yuremasu」など、さまざまな商品を発売しています。
■枡を地域自慢の品に
大垣市は、特有の地域課題が少ない一方で、地域を特徴づけるものも少ないです。そんな中で枡が地域の人の心の支え、地域の自慢になってほしいと考えています。
2005年には工場の敷地内に枡の店舗をオープン。地域のイベントに出展したり、枡づくり体験を行ったりする中で、徐々に地域の人に、枡が地元のものだと思ってもらえるようになってきました。
私たちが挑戦していることを紹介します
■カーボンニュートラルな枡でムーヴメントを起こしたい
今進めているのは、脱炭素につながる、カーボンニュートラルな枡の開発です。私たちの枡は、住宅を建てるときに使われた木材の端材を使用して作られています。間伐も行われていない放置林が増える中、木を使うことは山に手を入れ、山づくり、森づくりに貢献することにもつながります。木を使う企業として、私たちには山づくりの大切さなどを多くの人に示す使命があるはず。だからこそ、持続可能な社会をつくる、枡のムーヴメントを起こしたいのです。一企業にどれだけのことができるかわかりませんが、林業や学校教育との連携など、さまざまな方法を考えています。
■前例がないことを楽しめる新卒社員が、会社の推進力に
カーボンニュートラルな枡のプロジェクトは、大手企業の研修として参画している4人とともに進めています。
以前は学生インターンと一緒に、さまざまなプロジェクトを進めていました。しかし、インターンの期間終了後に、社員が引き継げずにプロジェクトが途切れてしまうことが気になっていたのです。そこで、プロジェクトを社長と一緒に進める社員が必要だと考え、新卒採用をして営業組織をつくり始めました。今では8人の営業部の社員が、会社の大きな推進力となっています。
ただ、これまでとは違う業種で、社員だけではハードルが高いようなプロジェクトに取り組み始めるときなど、研修やプロボノなどの形で参画する外部人材と一緒に行うこともあります。
枡で新しいプロジェクトを行うときには、絶対に前例がありません。それをどう進めようかと考えることにやりがいを感じる人、0を1にすることが楽しいような人と一緒に仕事をしたいと考えています。
新入社員には入社から半年の間に、製品や冊子をつくるなど、枡でできることを自分で企画、実行してもらっています。0を1にするチャレンジをそこで体感するのです。
■若い社員が多く、組織づくりにも力を入れる
社内には営業部と製作部があります。お互いの情報伝達を、新卒の社員が中心になって行い、社内の組織がまとまってきたように感じます。
製作部も若い社員が多く、どう教育するといいか、模索しているところです。工場間で連携できるような組織づくりにも力を入れています。
2024年の新卒採用は営業部・製作部をあわせて、これまでにない大人数となりました。リーダーミーティングなども活用して、常に見直しながら組織運営をしていきたいと考えています。
今後は、コロナ禍ではなかなか進められなかった海外進出も再び積極的に行っていきたいです。これまではインテリアとして提案してきましたが、近年では日本酒の認知度が世界で高まってきているので、今後は酒器としてもPRしていきたいと考えています。
これから、さらに地域の自慢のものとして、枡の存在感を高めていきたいし、地球環境のことを考えた商品やシステムづくりもしていきたいです。世界一「枡LOVE」だから、常にアンテナが立っていて、「これを枡でやるとどうなるかな」と、アイデアが湧いてくるのです。
アンバサダーの声
- 兼業/プロボノ 金丸 良/愛知県スタートアップ推進課(主査)
- 伝統工芸である枡の価値をアップデートし続ける大橋量器さん。
旺盛なチャレンジ精神とプロボノや兼業を活用して外部のアイディアを積極的に取り入れる姿勢、トライアンドエラーを繰り返す従業員をいつも温かい目で見守ってくれる大橋社長が醸し出すアットホームな空気感がとても素敵な会社さんです!
こうした組織風土から生まれたのが、ビールジョッキ枡やピアス枡などのアイディア枡が所狭しと並ぶ枡専門ショップ「枡工房ますや」、枡が食器やインテリアにふんだんに使われたカフェ「masu cafe」、さらには、和の空間を演出する枡建材などです。
次はどんな枡が生み出されていくるのか、ワクワクが止まりません!
- 兼業/プロボノ 鈴木としひろ/公法人勤務
- 「大垣に、ポール・スミス(アパレルブランド)とコラボした枡屋がある」、そんな話しをラジオで耳にしたのが大橋量器との出会いでした。大垣市の伝統工芸品で、計量器や酒器などに多用される木工製品「木枡」をいかに「粋でカッコよく」、その魅力を引き出せるか。IT企業にお勤めされたこともある大橋社長は、大橋量器が長年培った確かな技術力をベースに様々なアイデアを形にし続けています。最近では枡の特性を活かし、冷凍ご飯を炊きたてのように美味しくよみがえらせることができる大ヒット商品の枡のおひつ「COBITSU」などでも話題になりましたが、自分がプロボノとして関わらせていただいたのは枡の内装材ブランド「MASPACIO」の立ち上げプロジェクト。大橋社長は、中小企業の経営者としてスピード感を持って常に動いていらっしゃいます(このスピード感の違いが、自分が真っ先に感銘を受けた部分でした)。また経営者として方向性をしっかりと示しつつ一方でとてもフランクで、我々外部人材のつたない提案やアイデアにもしっかり向き合って、現場にもフットワーク軽く足を運んでくださいます。そして、プロジェクトのゴールと同じくらい、我々のゴール(プロジェクトを通じてどう成長したいかといった点や金銭では測りきれないやりがいなどの意味報酬)にも目を向けていただけ、最後までチーム大橋量器として活動させていただいた実感が、自分にとっては何にも代えがたい貴重な経験でした。
結局4期(3か月×4クール)にわたりお世話になりましたが、いまでも大橋社長や社員さんとはたまにご連絡をさせていただいたり、他の友人をおつなぎしたり、と非常に良い関係を続けさせていただいており、大垣もとても愛着のある町のひとつになりました(^^)
さあ、次は枡をどんな風に粋でカッコよく仕立ててくれるのか、大橋量器は、目が離せない企業であり〼!
企業概要
- 代表者名
- 代表取締役 大橋博行
- 従業員数
- 25名
- 資本金
- 3,000,000円
- 事業内容
- ・木製ます、計量器の製造・販売
・木製食器、木の器の製造・販売
・masu cafeの運営 - 業種
- 製造業
- エリア別カテゴリ
- 岐阜/西濃
- 業種別カテゴリ
- 製造業
- WEB
- https://www.masukoubou.jp/
- 住所
- 岐阜県大垣市西外側町2丁目8番地
- アクセス
- JR大垣駅南口から徒歩約15分
名神高速道路大垣ICより約5km(約15分)
現代社会に添う新しい枡のプロジェクトが続々 推進力は新卒入社の社員たち