■我が社のメイン事業をご紹介
今から約150年前の明治時代、西尾市で碾茶（てんちゃ／抹茶の原料）栽培が始まりました。ほぼ同時期、当社も西尾での碾茶栽培をスタートしました。それ以前はかぶせ茶、玉露などを含めた煎茶栽培を行っており、後に碾茶にも取り組み始めたといわれています。この地域の茶園もいち早く小売にも取り組み始めたのも特色のひとつです。
5代目になってから取り組み始めたのが、茶葉の農薬不使用・有機栽培と、キッチンカーでのお茶を使ったスイーツ・ドリンク販売。キッチンカーをきっかけに小売店に足を運ぶユーザーが増えたことからカフェ経営もスタートしました。茶葉の栽培・収穫時期には茶摘み体験、茶園や製茶工場の見学なども受け入れています。
　

■こんな分野でも活躍しています
最近では、製茶加工の工程で出る微粉末状のお茶を集めて、養鶏場に飼料として提供するといったことにも取り組み始めるなど、栽培・生産の過程で生じる産業廃棄物を活用できる方法を模索しています。他の業界とも連携し、循環型農業を実現することも夢見ています。

■仕事をする上でのモットーは…
「こだわりを持ったものをつくる」です。他と同じことはやりたくない性分なので（笑）、常に視野を広く持ち、頭をフル回転させながら「こんなことができたら」というアイデアを拾い続けています。

■挑戦していることを一言で表すと？
茶葉の農薬不使用・有機栽培には特にこだわって取り組み続けています。一般的に、農薬不使用栽培は害虫が少ない、標高の高い山間部で行われることが多く、当社のように市の中心部の茶園で行われるのはレアなケースです。地域には農薬を使用する他の茶園もあるため、農薬を使っていない当社には当然多くの虫が集まってきます。茶葉を大きく育てるためには虫は大敵であり、わざわざ平地の市街地で実践するのは理にかなっていません。でも、だからこそやってみたいと思って試行錯誤し続けています。

■挑戦のきっかけ、現状の課題
「体により良いお茶を作りたい」という思いが芽生えたのがきっかけです。地元小学校のPTAを務めていた際、子育て中のお母さん方とも交流があり、子どもの発育や健康、食の安全について考える機会が増えました。いろいろ思案する中で最初に取り組んだのが「農薬散布の廃止」。消費者はもちろん、栽培者の健康、茶園に隣接する地域に暮らすご家庭への影響なども考えると、挑戦する意義は大きいと感じたのです。
当社では現在、所有するすべての茶園で農薬不使用・有機栽培に取り組んでいます。ただ、有機JAS認証の取得などには至っていないため「無農薬栽培」とは言えない、やや中途半端な状態ともいえます。ゆくゆくは第三者機関の認証を取得できるよう、準備を進めているところです。

■挑戦の先に見据える展望とは
食の安全を追求することは健康を守る上でも重要であり、確実に今後の社会に求められるものだと確信しています。今後は、こだわって栽培したお茶の質をより高めていくためにも、製造工程の環境の刷新なども進めていきたいと考えています。地域活性をめざす観光農園事業など、やりたいアイデアはあふれているので、一つ一つ形にしていきたいです。
　

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