岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-【株式会社エネファント】

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-【株式会社エネファント】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-【株式会社エネファント】

岐阜大学社会システム経営学環の2024年度1年生31人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から3人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:磯﨑 顕三
事業内容:太陽光パネル販売・施工事業、小売電力業、コンサル事業、蓄電池販売・施工業
業種:生活関連サービス業、娯楽業/電気・ガス・熱供給・水道業
住所:岐阜県多治見市下沢町3‐35‐1
WEB:https://enephant.co.jp
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学生)
会社がガソリンスタンドの跡地なのが驚きでした。なぜ、ガソリンスタンドの跡地で事業を行っているのですか?
エネファント:磯﨑社長)
多治見は電車で名古屋や岐阜に行きやすく交通の便が良いという特徴があります。水素ステーションを設置し、事業を行おうと考えていた際に、ガソリンスタンドの広さや構造がぴったりだと感じました。また周りに住宅や人がいないため、万が一の場合にも被害を抑えることができます。これらの理由から、多治見市のガソリンスタンドの跡地で事業を行おうと考えました。

 

学生)
事業をする際に心がけていることは何ですか。
エネファント:磯﨑社長)
私たちは、お客様に「ありがとう」と言ってもらえるような事業を目指しています。社員の生活も大切にしながら企業活動を行っています。また、時代の流れに合わせて地域の困りごとを探し、適切なサービスを提供するよう努めています。 例えば「働こCAR」という事業では、地方は車移動が基本ですが、車の購入や維持には高い費用がかかってしまうという問題に対し、車の購入から維持費をゼロにするというサービスを提供し、生活移動の負担を無くし、多治見市で働く若者をサポートしています。

 

学生)
福利厚生の充実など働きやすい環境づくりのためにしていることはありますか。
エネファント:磯﨑社長)
エネファントでは、多治見市で一番求人が集まる企業を目指しています。働き甲斐はもちろんですが、給料と休暇数も充実させています。有給休暇を1時間単位で取得できるようにし、仕事とプライベートの境界線を引きやすいようにしています。また、がん・婦人科検診、不妊治療手当の支給や託児所の設置を検討しているところです。



エネファントは、電気をコンセントに供給するだけでなく、EaaS(Energy as a Service)という考え方を採用しています。自転車やEV(電気自動車)に電気を供給し、1KWhあたりの価値を高めつつ、安い価格で再度供給するサイクルを構築しています。

また、「創ると使うを最短で繋ぐ」ことをコンセプトとしてシェアサイクル事業などを展開し、電気エネルギーを効率的に社会に供給する方法を模索しています。これにより、エネルギーコストが低減され、電気エネルギーが街中で活躍する街を実現しようとしています。その結果、住みたいと思う人や進出を希望する企業を増やし、エネルギー視点から街の魅力を高めることを目指しています。

こうした事業を通じて、まちに貢献するだけでなく、社員の給料を向上させることも視野に入れている点が素晴らしいと感じました。エネファントの取り組みは、多治見市を「日本一電気代の安い街」にするだけでなく、「働こCAR」という事業で多治見市で働く若者をサポートしていたり、「太陽光付カーポート事業」で地域に防災拠点を設置したりと地域社会全体の発展にも寄与するものです。社員のことや街のことを非常に大切にしている点が魅力的に感じました。

エネファントでは、電気供給事業だけでなく、シェアサイクルやカーシェアなどのモビリティシェアサービスも行っています。一見、電気とは関係ないように思えますが、これらのサービスに使われている自転車や自動車は、電動アシスト機能がついていたり、電気で動いたりしています。これは、電気を使った移動手段の提供というサービスとして世に出すことで、地域に新たな価値を提供しています。

エネファントは、これ以外に災害時にも使うことのできる太陽光カーポートの無料設置など、様々な形で地域に貢献しています。このような、電気事業だけではない幅広い事業展開は、より多くの地域の人に魅力的なサービスを届けられるという、大手電力会社にはない地域密着型企業の強みであるため、エネファントの推しポイントのひとつです。

社長がエネファントを起業の動機が印象的でした。学生時代に起業を決意されたそうです。

社長が大学に入学した時期にリーマンショックが発生し、就職氷河期が到来しました。周囲では、100社に履歴書を送っても面接にすら辿り着かない状況が続いていたため、普通に就職する気にはなれなかったそうです。さらに、自分が本当にやりたいことか疑問を抱き、600万円もの学費を払ってまで大学に行くことに納得がいかなかったと言います。自分が納得する形で学費を使いたいと強く思うようになり、起業を決めたそうです。 

その頃は、政府が太陽光発電の普及を支援するための余剰電力買取制度や補助金制度を開始した時期でもありました。また、地球上の60億人が1年間に消費するエネルギー量が、太陽から地球に送られるたった1時間のエネルギーと等しいという話を聞き、太陽のエネルギーで60億人が1年間豊かに暮らせることを知って衝撃を受けたとのことです。この経験が、社長の将来に大きな影響を与えたそうです。 

もし私がこの状況に直面しても、大学に通っていたと思います。しかし、社長は大学を卒業して普通に就職する気にはなれなく、大学を辞めて起業をしました。自分にはないこのマインドや姿勢に感動したので、私の推しポイントにしました。


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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-特集ページ

■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2024年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2024年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで