【大学生と地域企業との連携PBL】まちしるツアー実行委員会〜地域は誰かの仕事で出来ている〜 - 東海ヒトシゴト図鑑

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【大学生と地域企業との連携PBL】まちしるツアー実行委員会〜地域は誰かの仕事で出来ている〜

【大学生と地域企業との連携PBL】まちしるツアー実行委員会〜地域は誰かの仕事で出来ている〜

まち歩きツアーを企業・地域の大人たちと共につくる!

G-netでは、「まちしるツアーギフンティティ」という1dayツアープログラムを企画してきました。「ギフンティティ」とは岐阜×アイデンティティをかけ合わせた言葉。住んでいても、観光で訪れても知る機会が少ない、”地域の成り立ち”について知るためのツアーです。 ”地域をつくる人”との関わりを重視し、これまでG-netが培ってきた繋がりを生かし、地域企業と協働で行ってきました。
その「まちしるツアーギフンティティ」を元に、今回新たに岐阜大学の学生が地域企業と連携して、地域活性化に向けたツアー企画を考案する試みを行いました。地域へのフィールドワークを経て実感した「地域で働くという選択肢をつくる」ことの重要性。企業や先生など様々な主体との関わりや、毎週開催したミーティングでのディスカッションなど、企画を作る過程で1人1人が地域のことを考え続ける6ヶ月間となりました。


| 実施概要

授業名 / 区分 まちづくりリーダー実践 / 全学共通教育科目 集中科目
期間 2024年8月 〜 2025年1月 (週1回のミーティング+作業時間)
学年 / 人数 1年生 / 1グループ3〜4人

 

経緯
2024年度前期、岐阜大学地域科学部にて開講された「まちづくりリーダー入門」にて、G-netコーディネーターによる、地域における面白さの見つけ方やキャリアに関する講義を行いました。
後期に開講された「まちづくりリーダー実践」では、前学期「まちづくりリーダー入門」の受講生から学生を募集。学生は、ゲスト講師が提示するプロジェクトの中から希望するプロジェクトを選び、数名から編成されるチームに分かれ地域企業や団体と連携した活動を展開させていきました。
今回、可児市で活躍する地域企業「株式会社 ファミリー」とのコラボを希望した大学1年生3人が、可児市を中心とした東濃地域を対象に、岐阜の知られざる魅力を伝える「ギフンティティ」ツアー企画を土台とした、地域活性化プログラムの考案に挑みました。

 

「まちづくりリーダー実践」学習目標
①地域社会での活動を通して、まちづくりリーダーとして必要不可欠な「何事にも主体的に協働する姿勢や態度」を身に付けること
②地域社会における次の挑戦につなげること

本プログラムで得られる経験
①イベント企画・広報発信・実行までを一から経験
②チームで協力してプロジェクトマネジメントする経験
③企業・社会人と交渉・協働する経験
④地域の魅力を発見し、活性化のための企画に取り組む経験

 

 

| パートナー企業

株式会社 ファミリー

可児市に本社を構え、自動車販売・整備事業を主な事業としている地域企業です。その他、コインランドリーやガソリンスタンド、洗車、学童など多様な事業も展開しています。 自動車を購入するお客様の生活が便利になること気軽にファミリーを訪れる機会を作りたいという思いのもと、トータルライフサポートを行う地域にとっての「核」となり、地域に根付いた活動を積極的に行っています。

 

■企業概要
企業名:株式会社 ファミリー
代表者名:吉田 正
事業内容:自動車販売・車検整備・鈑金整備・自動車保険事業

 

企業HPはこちら▼
https://k-familycarshop.net/

企業図鑑はこちら▼
https://tokai.hitoshigoto-zukan.jp/company/page/p5486/

 


| 
スケジュール


①キックオフ

最初のミーティングにて、チームでのアクションプランを立てるとともに自分のアクション宣言を行いました。コーディネーターから、企画を運営する上で必要なアクションや実施スケジュールを共有したのち、チームでの計画を立てました。
また、自分自身の「理想」と「現状」を比較し、そのギャップを埋めるために必要なアクションは何かを考え、チーム内で交流しました。

 

②地域へのフィールドワーク

参加学生が可児市やパートナー企業への理解を深めるため、1日のフィールドワークを実施しました。可児高校への訪問、ファミリーの吉田社長との交流、可児市役所への訪問を行いました。魅力的な地域企業の存在を実感するとともに、地元で働く選択肢を持たない高校生が多いなど、地域の実情も実感しました。

 

③企画ミーティング

9月から週に1回のミーティングを実施しました。学生とファミリー、G-netのコーディネーターがオンラインで集い、可児市や東濃地域に向けた取り組みを考え続けました。 途中、課題と企画との不一致や企業に協力してもらう際のメリット、広報タイミングなど企画を行う際の難しさにも直面。その中で、「自分たちが本当に参加したいと思う企画は何か」「地域にとってどの状態を提供したいと思うか」といった、本来の目的に何度も立ち返りながら、1人1人が考え続けるミーティングとなりました。

 

④最終報告会

「まちづくりリーダー実践」最終報告会は、授業の全受講生が集まり、それぞれが実践した地域企業・団体との取り組みをグループごとに共有し、地域の一員としての貢献につながる個人の成長を報告する、授業の集大成としての機会と位置づけられています。

本プロジェクトでは、ツアー実施に向けて活動を続けてきましたが、思うように集客ができず企画を断念する判断をとりました。その結果に対し、ファミリーの方より「感情で浮き沈みせず敗因分析をする必要性」、「最終報告会の場も、可児市や地域企業の良さを伝える発信の場にできること」を指摘されました。
学生たちも活動を振り返り、企画中止の結末で終わらせず個人や地域として次につなげられるためにはどうすれば良いかを考えました。
そこで最終報告会を、ただの報告ではなく「可児市や地域と関わる魅力を伝え、キャリアの新たな選択肢を提案する機会」と位置づけ、他の学生の心を動かす発表を目指すことに。元々ツアーを通じて、ファミリーなど「東濃の人事部セントリンク」が企画する「0距離企業展」への参加に発展するという、段階的な地域との関わりの構築を目的に据えていたこともあり、報告会を聞いた学生が、可児や地域との関わりに興味を持ち、企業展に参加したいと思えるような準備をすることになりました。

報告会までに改めて、プロジェクトを通して得た繋がりを生かし、可児市中心に活動する地域企業・団体へインタビューを実施。記事として配布することで、学びを他の学生に共有し、地域企業・団体の魅力を発信する発表を行いました。

 

⑤0距離企業展ーネクストステップー

2/11(火・祝)に岐阜県可児市にて、「0距離企業展」が開催されました。本企画は、「岐阜で活躍する熱く、面白い企業や大人」を知ってもらうことを目的に、「中濃・東濃の人事部セントリンク(C.T.L)」が主催しました。 当日は10社もの企業を回っていく中で、フランクな雰囲気のもと学生同士や企業と学生との交流を重視した企業展でした。まちづくりリーダー実践参加メンバーも企業展に参加。さらに、最終報告会での発表を聞いて興味を持った他の岐阜大生も参加しました

参加学生の感想

 業種の名前だけからはイメージできていなかった業務や、知らなかった業界について情報を得ることができたのがいちばんの学びだった。また、会社や事業内容だけでなく、企業の方個人のお話や、会社の特性や事業に関する「おもしろい」や目的意識についてなど、働く大人の考えを聞けたことは、新たな気づきとなった。
  学生の立場である今だからこそ、就職を視野に入れた話も含めて、それだけでなく関心を持ったことについて実際に関わっている人の声から得られる情報を逃さないように、機会や時間を有効に使いたいと思った。

 

 

| プログラムを通して

本プログラムは、学生が主体となり、地域企業と協働して「本当に地域のためになる企画」を1から自分たちで企画し実現させていく実践を重視した構成が特徴です。そのため、学生たちは、自分たちが考えたコンセプトが「地域のためにならない」と断られたり、集客の難しさに直面して企画を実現できなかったりといった、社会において企画を実行する際のリアルな紆余曲折を経験することになりました。

しかし、学生全員がプロジェクトを投げ出すことなく、互いの意見を尊重し、話し合われている論点を整理しながら丁寧に合意を形成していました。また、サポート企業のファミリーの村瀬さんもほとんどのミーティングに参加され、優しく、時には厳しく学生にアドバイスされたり、地域の様々な主体と学生を繋いだりというように積極的にサポートを担う姿がありました。

【参加学生の声】

 「まちづくり」というアバウトなものに対して、どういった人、組織、地域がどのように関わっているのか、そして何が必要なのかそうしたことを知ることができた。また、プレイヤーとして動く際に必要な能力(企画、広報など)を実践的に成長できたのも大きな収穫だった。何度も辞めたいと思ったが、最後までチャレンジできてよかった。今後はここで学んだ経験を活かして、1プレイヤーとして活躍していきたい。

ファミリーさんをはじめ、さまざまな人との連携によって進められた本プロジェクトの中で、学生は自らやるべきことを考え主体的に行動し、様々な人と協働していくようになり、1人1人が成長していきました。今後もこのような成長をサポートするために、高校生・大学生と地域企業との連携を促進し、地域の活性化を目指す取り組みを行っていきたいと考えています。


■お問い合わせ先
事務局:NPO法人G-net
メール:info@hitoshigoto-zukan.jp
電話:058-263-2162