岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【合資会社魚ぎ】 - 東海ヒトシゴト図鑑

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【合資会社魚ぎ】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【合資会社魚ぎ】

岐阜大学社会システム経営学環の2023年度1年生32人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:内藤 彰俊
事業内容:鮮魚の卸売り、小売り
業種:卸売業・小売業
住所:岐阜県岐阜市玉宮町1丁目13
WEB:https://fishmonger-uogi.jimdofree.com/
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学生)
お仕事体験など、子どもを対象にしたイベントを魚ぎさんでは実施されていますよね。また、お店も「食べる水族館」とユニークです。子供向けに企画を始めたきっかけを教えてください。

魚ぎ:内藤社長)

マクドナルドのように、自分が子供のころから連れて行ってもらっていて、自分の子供も連れて行ってあげるような場所を魚屋でも出来たらいいなと思ったからです。そのためには小さいころから魚屋に来てもらうことが必要です。子供がやりたいことに親はお金を出しますから、海のない岐阜県で小さいころから魚に興味をもってもらうために始めたのがきっかけです。

 

学生)
働きやすい環境をつくるために取り組んでいることを教えてください。

魚ぎ:内藤社長

今働いてくれている人は、家庭をもっている人が多いので、家庭のことを考慮することですね。家庭の事情で急に休みたいと連絡が来ることもありますけど、そのときは「いいですよ」と言って受け入れています。それから、正社員ではない人には他と掛け持ちをしている人もいます。その人たちは、自分で何時まで働くか決めて、時間になったら自ら帰っていくのですが、それも受け入れています。働く時間に関して、社員の希望を聞き入れることが働きやすさにつながって
いると思っています。


学生) 

魚ぎさんの1日のタイムスケジュールを教えてください。
魚ぎ:内藤社長

朝4時に市場から電話がかかってくるので入荷状況を聞き、仕入れたい魚は取り置きしてもらいます。しかし鮎は競りでしか入手できないため必ず参加します。市場から帰り8時ごろに店に着き、そこからはお寿司屋さんが魚を仕入れに来るのでその対応と配達もします。10時からは料理を食べにくるお客様と卸売りの方を同時に対応します。お店を閉めたら、居酒屋向けの魚の仕込みと、余った魚をどうするか考えます。そうして、最終的には0時くらいに寝ます。

 

学生)
魚ぎさんの将来像、目標は何ですか?

魚ぎ:内藤社長
10年後の魚ぎとしては、変わっていく商店街に対して色々な発信をすることを目指しています。自分の子供の代の魚ぎの将来像としては、”魚屋”としてありつづける必要はないと考えており、魚ぎという名前を残すのならば、どんな業界に参入してもよいと考えています。そして、子供連れのお客さんを増やすということも一つの目標としています。

 
 
 
 
 
 
魚ぎの社訓の一つに、「現状に甘えず、一生磨き続ける人間であれ」とあります。内藤社長自身は日本さかな検定1級を持っていて、今まで培ってきた魚に対する知識がたくさんあります。しかし、まだまだ魚について学ぶのは当たり前のことで、自分よりも物知りな人はたくさんいるからうぬぼれることなく学び続けていると話していたのが印象に残っています。

ただ机に向かって勉強するだけでなく、他の中小企業から話を聞いて、何か魚屋に活かせることがないかを探したり、学生と話したりすることで新しい発見を得ていると話していました。たくさんの人との会話から学びを深めていくことは、学生である私自身も多角的な視点や柔軟な発想力を身に着けるためにぜひ参考にしたいです。


 

 

 

 

 

社長がお客さんとの会話からお客さんの求めているものを読み取るとおっしゃっていたことが印象的でした。何を食べたいのか、どのように調理して食べたいのかといった、お客さんの希望を読み取ることで、お客さんのニーズを満たすことができます。このことを当たり前だと感じる人もいるかもしれませんが、実際にやるのは難しいことだと思います。

全てのお客さんが自分の求めているものを明確にしているわけではありません。曖昧なものであれば、それを明確にする必要があります。相手が自分に求めることを考えることで、相手に「この人は自分のことを考えてくれているな」と良い印象をもってもらえます。相手との良好な関係を築くために、相手が自分に一体何を求めているのかということを考えていきたいと思いました。


 

 

 

 

私は取材を通して、魚ぎさんの提供しているものについて強く印象に残りました。魚ぎさんは岐阜で魚屋をやる以上、鮎にこだわらなければいけないと感じていて、5~10月に行われる競りには必ず参加するようにしたり、各地で獲れる鮎を仕入れて食べ比べを行っているようです。

また、購入者が毎月違った魚を受取りに行く「魚のサブスク」に取り組んでおり、受取りに来たお客様には直接魚の説明をしています。魚ぎさんで仕入れる鮎の中に自分の地元で獲れた鮎があり、地元のよさに気づいてくれる人がいたことに嬉しくなったのとともに意外なつながりがあったことにも驚きました。魚のサブスクにおいて魚ぎさんは、お客様との交流を楽しんでおり、人との関わりを大切にしているのだと感じました。よりよい商品を提供しようとする姿勢と、交流を楽しむ姿勢は、商売において重要な要素なので、魚ぎさんはこれからも岐阜の魚屋として活躍していくでしょう。

社員への配慮を何気なくできる素晴らしい社長さんだと思いました。なぜなら、社員の労働環境をよく考えているからです。社員の労働量を減らす、社内環境をよくすることは社長の仕事が増え、しんどくなるとおっしゃっていましたが、それでも社員のために自分を犠牲にできる姿は非常に尊敬できると思いました。

また、漁業関係から高校生向けの講演会まで色々なイベントの誘いを断らないことを心掛けているという話がありました。自分さえ誘いを断ることがあるのに、忙しい社長が誘いを断らずに出席するというところがすごいと思いました。これは、社長が情熱をもって仕事に取り組もうとしているということがよく分かるものだと感じました。そして、社長のように人との出会いは大切にしたいと思いました。

 

 


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■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2023年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで