岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社美光技研】 - 東海ヒトシゴト図鑑

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社美光技研】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社美光技研】

岐阜大学社会システム経営学環の2023年度1年生32人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:和田 昇悟
事業内容:金属研磨加工業
業種:製造業
住所:岐阜県美濃加茂市野笹町2-3-33
WEB:http://www.bikogiken.co.jp/
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学生)
HPでは、「成功は小さなことにチャレンジして蓄積させたものの延長線上にある」といった価値観を紹介されていますが、チャレンジすることで変化したと感じることはありますか
美光技研:和田社長
小さな会社でも特殊な技術を突き詰めると、世界との距離感が近くなることがあります。みんなができることに挑戦しているだけだと生き残るのが難しい業界ですが、逆に誰にもできないことに挑戦していくと面白い世界に変わります。世の中からも「面白い」「すごい」と驚かれるような技術を生み出して、大切にしたいと思っています。

 

学生) 
一つの技術を磨き続けてきた中で、時代に必要とされなくなったり、優れた新しい技術に取って代わられたりするかもしれないといった不安はなかったのですか。
美光技研:和田社長

会社である以上、チャレンジを続けなければいけません。そのため、自分たちが磨き続けてきた技術をより新しくしようとしています。現在は光と影に着目した新しい技術の開発に取り組もうと考えています。また、2010年ごろから時代が自分たちに追いつき始め、多様な模様に対するニーズが増えた感覚がありました。

 

 

学生) 

現在五十年続く企業として経営を続けられていますが、この先百年企業にしていくために必要なものは何だと考えていますか。
美光技研:和田社長
短期的には人材育成や教育も必要ですが、百年企業と考えたときに最も重要なのは、この技術が途絶えないで文化として人々の中に残っていくために、多くの人に知ってもらうことだと考えています。現在は美術館のようなものを作り、さまざまな人に興味や関心を持ってもらうことで、認知を拡大させていくことも考えています。この考え方は企業理念「心と技術を磨き、世の中に驚きと感動を与える」を主軸にしています。

 

学生)
デザイン研磨の認知を広めるためにどんなことをしたのですか。
美光技研:和田社長
デザイン研磨はモノに付加価値をつけるもので絶対に必要というわけではないものなので、美光技研独自の技術を見たときに驚きや感動を与えるようなものづくりを心掛けました。また、G-netさんと協力したり、東京の展示会に出してメーカーさんとお話をしたり冊子を作ったりして研磨の技術を人に伝えていく作業を常にしていました。

 
 
 
 
 
 
五十年という長い歴史を生きのびてきた特殊で繊細な技術を、いかにして次世代に残していくのかを試行錯誤しているところが非常に印象的でした。時代の流れに合わせて、製法のデータ化や業務のマニュアル化によって、確実に技術を伝承し、新しい人財の教育に力を入れているという部分は、企業として長く続いていく秘訣の一つなのではないかと感じました。

私が取り上げた質問でも百年続く企業にしていくためには、教育よりも人々の認知が重要であると話されていましたが、教育面でも努力を怠らず、人々から技術や製品を認知されるように新たな事業にも取り組む姿勢が企業として素晴らしいと感じました。

 

 

 

 


デザイン研磨という技術を初めて聞きあまりイメージがつきませんでしたが、話を聞いて実物を見ると意外と車や表札など身近にあるものに使われており、さらにテーマパークの装飾や様々な建築物の外装など日本や世界に広まっていて、岐阜にこんなすごい企業があることとそれを知らなかったことに驚きました。また、加工の種類や加工したモノの種類が多く、受けた依頼に対してできるだけノーはなしでやってみるというチャレンジ精神と、技術を磨いていくという進化を求める姿勢が、「心と技術を磨き、世の中に驚きと感動を与える」という理念の通り、見た人に感動を与えているのだと感じました。

美光技研さんのように、広く認知されてはいないけれど身近にあるすごい企業が岐阜にたくさんあると思うので、地元のすごい企業をもっと知って盛り上げていきたいと感じました。

 


 

 

 

 

大量生産・大量消費だけではやっていけないと言われ、商品に求められる質の変化がやまない今の時代に、真っ向から自分たちが持つ技術に基づいた「質」で勝負している企業には地力の強さがあります。美光技研は技術の研鑽に一番の重きを置いています小さな地域の企業が世界の中でも唯一無二の技術を持って、世界規模の仕事をしています。企業としての軸を曲げずに技術を積み重ねてきたことで、地域を盛り上げるだけではなく日本を引っ張るような技術を持つ企業になったのがすごいと思いました。各地域の伝統や本来失われてはいけない技術の価値が失われていく時代に、企業として変えられない価値を大切にしながらも現代に適応している企業があるのは誇らしいと思います。

私は日本固有の伝統や技術を世界に売り、それらの価値が恒久的に大切にされるような社会を作りたいと思っています。このような企業を知って自分が起業する参考にしていきたいです。

 

 

 

 

 


今回の取材を通して、美光技研さんの様々な魅力を発見することができました。その中でも、1つの技術を50年間貫いて磨いてきた事実が1番印象に残りました。大半の企業は1つの技術だけを追い求め続ける事は困難で、企業の安定を図る為に新たな別の事業に着手することが多いです。しかし、美光技研さんは新しい事業を始めるにしても、その根幹には必ず研磨があり、1つの技術をずっと磨き上げ使い続けていました。その為に費やした時間や脈々と積み上げてきた物に、継続の大切さを感じました。

また、様々な経験を培ってきた現在でも試行錯誤が必要な依頼があったり、どの社員さんが制作を担ったとしても品質を落とさないように指示書や動画を作ろうとされていて、依頼が舞い込んでくる今でも慢心する事なく日々前進する姿勢を見習いたいと感じました。

 

 


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■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2023年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで