岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社日本温浴研究所】

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社日本温浴研究所】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社日本温浴研究所】

岐阜大学社会システム経営学環の2023年度1年生32人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:星山 道弘
事業内容:温浴施設運営事業、EC事業、化粧品製造業、コンサルティング事業
業種:サービス・レジャー業
住所:岐阜県各務原市鵜沼各務原町2-68
WEB:https://www.meguminoyu.jp/
訪問企業をより詳しく知りたい方は写真をクリック!

学生)
どうしてハーブを自社農園で栽培しようと思ったのですか。
日本温浴研究所:星山社長)
銭湯を開業したときには日本にお風呂ブームが来ていて、どうやってオリジナリティを出すかを考えていました。そこで、開業地の岐阜県が薬草やハーブが多く生育していたことに着目し、ハーブと薬草をテーマにして運営を行ってきました。しかし、薬草やハーブの需要が減少するにつれて仕入れ先の農園が廃業してしまったため、薬草やハーブの伝統を繋いでいくという意味でも自社農園での栽培に切り替えたのがきっかけです。

 

学生)
仕事のやりがいは何ですか。
日本温浴研究所:星山社長)
私が入浴にかかわる事業に携わっている中で一番必要だと感じることは、とりあえず挑戦してみることです。なぜなら、飽和状態にある銭湯事業で生き残っていくには、他にはない独自の強みが必要だからです。実際我々の会社は、銭湯経営以外にもハーブ事業や他の銭湯経営のコンサルタントも行っています。自由にやりたいことに挑戦でき、会社の可能性を広げられる今の仕事は、とても刺激的でワクワクします。

 

学生)
どうして電気代の節約のために何か他の機械を導入するのでは無く、自分たちで「エコ湯ニット」を開発して、それを他の温泉施設に設置するようになったのですか。
日本温浴研究所:星山社長)
色々な節約グッズを購入して使ってみましたが効果はあまり無く、世の中には色々な商品が販売されていますが、それはその製造した企業が利益を上げられるようなものにしかなっていないことがわかりました。だから、本当に欲しいものを自分たちの手で開発することにしました。また、開発した「エコ湯ニット」を他の温泉施設に買ってもらうのではなく、節約した分の金額の何%かをもらうことで他の施設にも導入してもらえるようにしました。

 

学生)
コロナ禍での銭湯の経営の危機をどのように乗り切ったか教えてください。
日本温浴研究所:星山社長)
新型コロナウイルスが流行し始めた2020年4月後半に、1か月間ほど店を閉めることを余儀なくされました。GW期間だったこともあり数ヶ月分の売上が無くなりましたが、空いている部屋に棚を設置することで、入浴剤などのwebショップの規模を拡大し、売り上げを伸ばしました。また、2019年の12月ころにすでにウイルスの怪しい動きをキャッチし、資金運用における対策をしていたことも経営の危機を乗り越えられた要因です。


 

 

 

 

日本温浴研究所は、銭湯を運営しながら、他企業と勝負しなくても良い「良い物」を追求しています。そこで実際に扱われているのは薬草やハーブで、これらは銭湯の開業地である岐阜に根差したものです。しかし仕入れ先の農園が廃業したのをきっかけに、ハーブの自社農園での栽培がスタートすると、現在ではハーブをただ栽培するのではなく、高齢者や車椅子の方でもしゃがまずに作業ができるよう高床式にしたり、砂栽培にすることで小さな力でも収穫することができるようにしたりと、様々な工夫を凝らしています。

自社栽培の生のハーブでのロウリュウや薬草湯、カレーの販売に入浴剤の製造販売など、ここまで多岐に渡って取り組めているのは、誰もやっていないことを開拓し他企業との競争に重きを置かなくて良いため、その分深くハーブなどについて追求することができるからなのではないでしょうか。このような現在のビジネスモデルがこれから社会の変化とともにどのように変わっていくのか、注目していきたいです。

 

 

 

 

 


日本温浴研究所は銭湯事業から始まり、入浴に関することを中心に様々な改革を進めている面白い企業です。入浴は、睡眠や食事などのように我々人間に大きく関わってくるものということもあり、今後の社会でますます注目が集まる分野でしょう。しかし現在の銭湯業界は飽和状態にあり、湯船やサウナがあり、リフレッシュできる銭湯がある同じような会社が山ほどあります。そんな中、日本温浴研究所はハーブの事業を進めたり、おしゃれな銭湯を目指すなどという独自の改革を進めていき、現在ではライバル会社は無いと言い切れるまで他とは違う会社に成長させていました。社長の挑戦することを躊躇わない姿勢が印象的で、私はその姿に感心させられました。


今後は入浴剤の分野で海外進出を目指したり、さらに綺麗な内装で食事にもこだわるという銭湯の改革を進めるそうで、更なる発展が期待できます。世界の入浴を担う企業としての今後の活躍が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

今回、日本温浴研究所への企業訪問を通して、自分たちに必要なものや、消費者にとって魅力的なものを自分たちで開発することが、会社を経営していく上でとても大切だという事がわかりました。自分たちに必要なものを自分たちで開発することが大切な理由は、世の中には企業が得をするような商品が多く出回っており、本当に自分たちが求めているものは自分で作っていくしか無いからだと感じました。また、消費者にとって魅力的なものを開発する必要がある理由は、競争に勝ち、会社を大きくしていくのでは無く、他にはない唯一無二なものを作ることで、多くの人が商品やサービスを購入したいと思わせることにあると思います。このような戦略が、消費者の人たちにとって魅力的なものになるのだと感じました。

そして、会社の経営方針として、競争に勝って発展していくのでは無く、他には競争相手がいないようなことをして発展しようとしているからとても良いなと感じました。

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルスのパンデミックで、特に銭湯の運営を行う企業は現在も経営状況が厳しくなっているというイメージがありましたが、どのようにして日本温浴研究所がそのような危機を乗り越え現在まで経営状況を維持できているかについて今回知ることができました。銭湯の運営だけでなく入浴剤の販売、さらにはその入浴剤に使用されるハーブについて、栽培・加工などを自社の敷地内で行っているという独自性があり、その独自性が、コロナ禍であればwebショップを拡大するといった経営危機の突破口を見出すことにつながっているということがわかりました。

新しいことやどこにもないことに挑戦する姿勢を大事にする、日本温浴研究所のこれからの発展に期待したいです。


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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-特集ページ

■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2023年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで