【ヒト図鑑ストーリー特集】学生時代に向き合った自分の考え方の軸が、「やりたいこと」を仕事にできる会社に導いた - 東海ヒトシゴト図鑑

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【ヒト図鑑ストーリー特集】学生時代に向き合った自分の考え方の軸が、「やりたいこと」を仕事にできる会社に導いた

【ヒト図鑑ストーリー特集】学生時代に向き合った自分の考え方の軸が、「やりたいこと」を仕事にできる会社に導いた

ヒト図鑑には、さまざまなヒトの人生における選択が掲載されています。
この特集では、その選択の背景や、選択に至る思考回路を掘り下げたり、選択時の指標を明らかにしたりすることで、読者の皆さんが選択するときの判断材料としていただきたいと考えています。

今回のストーリーの主役……
大東亜窯業株式会社 土田若奈さん

岐阜県瑞浪市食器の製造を行う大東亜窯業株式会社で働く土田若奈さん。入社1年目にして、商品の新しい柄を考えたり、新しい形状の食器を3Dソフトで描いたりといった、商品企画の最前線に携わっています。
中学生で漠然と「美術関係の仕事をしたい」と思い始めてから現在の仕事に就くまで、どのように考えて選択を積み重ねてきたのでしょうか。

 

人生を変えた『風立ちぬ』

中学生のころ、卒業後の進路を考える授業を受けた人は多いでしょう。土田さんもその一人。もともと絵を描いたり工作をしたりするのが好きだった土田さんですが、実は真面目にその授業を受けた結果、将来は「もう少し現実的な道の方がいいのではないか」と思うようになっていました。

そんな気持ちを大きく変えたのが、中3の夏に見た映画『風立ちぬ』でした。
背景美術の美しさや迫力に圧倒された土田さん。そして、エンドロールでたくさんの名前が流れてくるのを見て、そこに多くの人が携わっていることに気付いたのです。

「ああ、やっぱりそういう仕事の方がいいかも、と思いました。まだ漠然と、美術や芸術関係の仕事をやれたらいいなというくらいですが」

高校でも思いは変わらず、ただ「画家は食べていくのが難しいかもしれないけれど、デザインなら、学んだことを仕事で続けられる人が多い」と考えるようになりました。そして予備校に通い、美術大学のデザイン学科に合格したのです。

「好き」だけでなく、自分の考え方の軸をつかみたい

大学に入学したばかりのころ、「フィンランド・デザイン展」が開かれていることを知った土田さんは「デザイン科に入ったんだから」と見にいくことに。そこで出会ったのが、フィンランドの有名な食器ブランド「Arabia」の食器でした。

それまで食器というと、実家で使っていたノーブランドのものか、織部焼のような伝統的なものというイメージでした。しかし、草花や果実などをモチーフとした柄が大胆に入り、機能性も兼ね備えるArabiaの食器は、それらとは全く違いました。

「食器ってこんなにかわいいものもあるんだ、と衝撃を受けました。そして ”もっとこういう食器が増えたらいいのに” と思うと同時に、”こういうものを考えるのは楽しいかも” という思いも生まれました。絵を描くのも好きだけれど、絵がうまい人はたくさんいる。食器をつくるなら、形を考えつつ絵も描けます」

3年生に進級するときには、プロダクトデザインの専攻を選び、食器も含め幅広く学びました。

大学3年時の作品。手の構造から、手に馴染む形を考えたバターナイフ。

大学4年時の作品の椅子。


そして大学4年生が近づき、就職活動の解禁を迎えることに。進学時から、学んだことを仕事として続けることを意識していた土田さんですが、専攻に分かれて1年のその段階では「まだ見せられる作品がない」と感じたそうです。

「“食器が好き” 以外の、自分の考え方の軸がないと思ったのです。もっとじっくり、自分の考え方の根底がどこにあるのか、しっかり考えてから挑まなければと」

コロナ禍に入り、授業も就職活動もままならない時期だったことも重なりました。土田さんは大学院に進学し、研究や作品制作を続けることを決めました。

 

大学院で見つけた自分の軸で、会社選びも
大学院修士課程の研究を通じて、土田さんは「自分はなぜこう思うのか」と掘り下げて考えていきました。
例えば修士1年生のときには、自分が「物を捨てられない」のはなぜなのか考え、その成果を展示作品の形で表現。

大学院修士1年のときに制作した展示。消耗品でも、限界まで使い込んだモノの姿は一つのデザインなのではないかと問いかける。

 

こうしたことを積み重ねる中で、少しずつ自分の「生きるスタンス」が見えてきたと土田さんはいいます。
そして1年が経つころ、土田さんは大学院修了後の就職を目指して動き出しました。「やりたいことに近いところ」で就職するならこのタイミングだと感じたのです。

大手の就活サイトには、食器メーカーはほとんど載っておらず、インテリア系の会社にも応募してみましたが、選考を通過できないことが続きました。
そんなころ、就活サイト以外でも、インターネットで「新卒 食器 求人」などと入れて検索すると、ハローワークなどの求人情報が出てくることに気付いた土田さん。

「家具も興味がないわけではないけれど、好きなことをできるところの方が本音で話せるし、それで落ちても納得できる。やはり食器メーカーを探そうと思いました」

どこに行っても生きていけるだろうと、会社のある地域にはこだわりませんでした。もっとも重要視したのは、事業や仕事の内容。それに加えて勤務条件も確認していきました。

そうして出会ったのが大東亜窯業株式会社です。自社企画とOEM(他社ブランドの製品を製造する)の両方に携われることに加え、大量生産のものを主に製造していると聞き、土田さんは「自分のやりたいことに近い」と感じました。

「大学には作家志望の子もいたのですが、私は作品ではなく製品を作りたいと思っていました。同じ皿で何を入れてもだいたい合って、他の皿とあわせて食卓に並べても馴染むような扱いやすいものの方が、気張らずに使えます」

例えば「物を捨てられない」ことは、気張らずに使えるものを使い込むことに魅力を感じていることだとも言えます。大学院で自分の考え方の軸を見つめ続けていたからこそ、「やりたいことに近い」とすぐに感じられたのです。

実際に入社してみると「自社で製造まで行っているので、自分で試作品をつくり、すぐに結果が出るのが楽しい」という土田さん。
柄を描き、焼いてみると「イメージと違う」ということはしょっちゅう。しかし「これはあかんのか、よし、わかった」「何がだめかわかるのは、それはそれでいいこと」と考えるようにしているそうです。
先輩社員たちについても「思っていた以上に優しくてびっくりした。本当に運がよかった」と土田さんは話します。

入社後にデザインした食器。新商品として2024年夏ごろにリリース予定。

学生時代の経験や学びを通じて、自分の好きなこと、考え方の軸を少しずつつかむことで、会社を選ぶ上でもその軸を使って判断でき、やりたいことのできる会社に出会った土田さん。
今後は「柄だけではなく、自分で形も考えられるようになりたい。OEMなど、まだやっていない仕事もたくさんあるので挑戦したいです」と土田さんは語ります。


大東亜窯業株式会社について、詳しくはこちらから

土田若奈さんのヒト図鑑はこちらから見られます。

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