2023年07月16日(日)
岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-【株式会社長良園】
2023年07月16日(日)
岐阜大学社会システム経営学環の2024年度1年生31人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。
-企業概要-
代表者名:市川 嘉宏
事業内容:各種お煎餅、ゴーフレット、クッキー、バークッキーの製造・販売
業種:製造業
住所:岐阜県岐阜市北鶉4-30
WEB:http://nagaraen.com/
訪問企業をより詳しく知りたい方は写真をクリック!
学生)
現代において、企業で活躍するのはどのような人で、どのようなスキルが求められるのでしょうか?
長良園:市川社長)
企業で活躍するためには、まず社会に貢献したい、夢を実現したいという強い気持ちが重要です。さらに、困難な時や面倒な時でも自分を奮い立たせて熱心に取り組むことができる人が求められています。スキル面では、迅速に行動を起こすことができる人がリーダーシップを発揮し、物事を早く進めることで良い結果を生みます。このような人材が、現代の企業で特に重宝されると考えています。
学生)
社長をしていて、一番大変だと感じたことは何ですか?
長良園:市川社長)
社長という職をしていると、確かに大変なことも多いですが、その大変さを感じる前に行動に移すことが大事だと思っています。もちろん計画通りにいかないこともありますが、それ以上に自分で決めて行動する楽しさや、問題を一つずつ解決していく達成感を感じています。また、その事業を成功させたいなどの好奇心をもって行動すれば自然と大変ではなくなるので、物の見方を少し変えてみるといいと思います。
学生)
商品開発ではお客様の意見を大切にしていらっしゃると思いますが、形状や原料はどのような基準で決めているのか教えていただけますか?
長良園:市川社長)
今の時代、ニーズに応える重要性がどんどん大きくなっており、文化に根ざし、対応していることに加え、企業の独自性がますます重要視されています。そして、形状や原料の基準については、岐阜ならではの文化性をどう発揮できるかが鍵となっています。また、他にも、お客様に安心してもらうためにオーガニック素材を選定し、安全性が高い商品に仕上げること、また環境負荷を減らすためにプラスチックトレーの削減などの活動も進めています。
学生)
お菓子作りの他にやっていることはなんですか?
長良園:市川社長)
長良園はお菓子作りのみならず、地域貢献活動にも力を入れています。その活動の一環として、長良川上流域の緑化・造林の活動をし、長良側の清流を末永く維持する活動を実施・支援しています。これにより、地域の美化や安全確保に貢献しています。長良園は事業運営のスタンスとして地域貢献活動を重視し、地域の発展と共に成長し、地域社会との良好な関係を築くことを目指しています。
新しいことを学ぶことを楽しむためには、何事も学びと捉えて自分の成長に活かすことが大切です。私が鵜飼せんべいの由来について尋ねたところ、市川社長は”瓦せんべいという種類だから湾曲している”ということは知っていましたが、瓦せんべいとなった由来については御存知ないとのことでした。市川社長はすぐに調べて、「なるほど、興味深いな」とつぶやいていました。このように、社長自身が自分の知らなかったことを新しい学びととらえ、楽しんでいる姿が印象的でした。私自身も大学の講義で興味がなくつまらないと感じることがありますが、市川社長の姿勢を見習い、「いつか役に立つかもしれない」と考えることで、講義を楽しむように努めています。その結果、深い理解を得ることができ、自分の成長にも繋がっています。
創業当初から今に至るまで約70年間愛されてきた銘菓が鵜飼せんべいです。鵜飼せんべいは小麦粉、砂糖、鶏卵、膨張剤の4種類の材料からつくられ、特に小麦粉と鶏卵は岐阜県産のものを使っています。また、鵜飼の焼き印や瓦型にする作業は職人が丁寧に行っており、素朴で、温かいお茶と一緒に食べたくなるような印象を受けました。実際に鵜飼せんべいを食べたとき、素材の味がしっかりしていて美味しかったです。しかしながら鵜飼せんべいは、今のままで手土産として最高であるにも関わらず、リニューアルを考えていると聞き、今もなお進化し続ける姿勢に驚きました。そこには、未来でもずっと愛され続けるお菓子にしていきたいため、時代変化に対応していきたいという思いが込められていることを知りました。また、鵜飼せんべいをきっかけにもっと岐阜県のことを好きになってもらいたい、若者からお年寄りまでの幅広い層に親しまれるようなお菓子を作りたいという強い意志を感じました。これから進化し続ける、目が離せないお菓子の1つです。
自然の素材をそのままの形と味で提供するために、工場では手作業にこだわっているというお話でした。私も実際に工場を訪れ、手作業でお菓子を選別する姿を目の当たりにし、「工場での手作業」に感銘を受け、それがお客様に愛される理由にもなっていると感じました。。実際に工場で長良園の商品である「フルーツせんべい」を食べてみると、今までに味わったことがない繊細な味わいや歯ごたえで、この丁寧な手作業が長良園のお菓子の優しい味や風味を作り上げているのだと実感しました。
しかし、営業利益を上げるためには機械に頼らなければいけないところもあるため、どの工程を手作業にするかを考えることが難しいというお話を聞いて、地域に貢献したいという気持ちだけでは上手くいかない経営業の大変さを知り、経営学部としてこれから活動していく上でとても参考になりました。
フルーツせんべいにはイチゴ、オレンジ、キウイ、パインなどバラエティー豊かなフルーツが使われており、加えて見た目がかわいらしくチャーミングです。工場見学をさせていただいたときも、一つ一つの工程にこだわっていて、できたても試食させていただきましたが、良い香りで食感も非常に美味しかったです。バラエティー豊かなフルーツがそのままの姿で載っている姿は、大変珍しく、見た目にも楽しく、会話が弾むと感じました。これらはすべて、熟練した職人が丹精込めて一枚一枚絶妙の歯触りに焼き上げる「はさみ焼き」の製法から生まれています。口に入れると豊かなフルーツの香りが広がり、生地の香ばしさとフルーツの甘酸っぱさ、軽やかな歯ごたえが微笑みを誘います。他にはないお菓子です。
その他の学生が取材した企業さんはこちら!
■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2024-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2024年度前期
■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで