岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社愛起】 - 東海ヒトシゴト図鑑

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社愛起】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【株式会社愛起】

岐阜大学社会システム経営学環の2023年度1年生32人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:多久田 辰博
事業内容:製菓製パンパッケージ業
業種:製菓製パンパッケージ・包装資材卸業
住所:愛知県名古屋市天白区中平3-808-1
WEB:https://www.aiki-pack.com/
訪問企業をより詳しく知りたい方は写真をクリック!

※本インタビューでは、常務取締役の多久田篤希さんにお話をお聞きしました。


学生)
会社の強みは何ですか。
愛起:多久田さん
弊社は自社で生産工場を持たず、製品の生産に関わるものは外部に委託して対応するファブレス企業です。そのため、例えば、ケーキ屋さんがレジ袋から手提げ付きの箱に変更したときも工場を持っていると、機械が無駄になるなどの損失が出ますが、我々は機械などがなく、すぐに移行して、対応ができるため、損失が生まれにくいです。また、仲介業者を挟まないことで、週に2回程度取引先と直接顔を合わせます。顔が見えるため、信頼関係を築くことができ、依頼先に選ばれやすくなります。

 

学生) 
地元を大切にするためにしていることはありますか。

愛起:多久田さん

とにかく既存店顧客を大切にしています。愛起の主な取引先であるお菓子屋さんや、パン屋さんは、特殊な業界であり、元々の取引先のお店からの紹介により、お弟子さんなどの新店が新たな顧客になることが多いです。その為、顧客を増やして、地元のお店に愛されるためにも、人材教育に力を入れて、商品だけではなく、人柄でも愛起を選んでもらえるようにしています。

 

 

学生) 

会社の存続のために大切にしていることは
愛起:多久田さん
まさに会社の経営理念である「創意無盡」です。これは挑戦し続けること、変わり続けることをやめないという意味です。世の中の動きに合わせて変化し続けることが会社を存続させていくために大切なことだと思っています。例えばうちの会社だと、創業当初はお寿司のパッケージから始まり、約50年前にお菓子業界に進出し、ケーキの箱を作り始めました。そこから紆余曲折あり、現在はお菓子の包装材全般と商品が多岐にわたります。

 

学生)
今後の展望を教えてください。
愛起:多久田さん
個性豊かなまちづくりのために「日本中のお菓子屋さんのサポート」と「既製品に付加価値をつけること」を会社のビジョンとしています。また私達はお菓子屋さんを町の顔として捉え、人々がお菓子屋さんに集まることでまちに活気が溢れると考えています。今後ビジョンの達成を通して個性豊かなまちを創り上げるために、昨年度始めたネット通販を継続させることや、お店のオリジナル商品やコンテンツの制作の支援を行うことを現在計画しています。

 
 
 
 
 
 
私が愛起さんを訪問して印象に残ったことは、創業70年以上の企業でありながら、古くからの経営方針に固執することなく時代にあった経営戦略をとっていることです。創業以来愛起さんでは「創意無盡」の精神、「時代の先駆者としてお客様視点に立ち創意工夫し続けること」を大切にし、変化し続けること・挑戦し続けることをやめていないとおっしゃっていました。時代に合わせて変化し続けた愛起さんだからこそ東海3県のお菓子屋さんに長年愛されている企業になっているのだと感じました。

私の地元には老舗でありながらも時代に合った経営をするお店と古くからの経営方針を変えないお店があり、実際前者のお店の方が若者の客も集め繁盛しています。このように、これからの時代は愛起さんの経営方針でもあるように「変わり続ける」ということが重要になってきます。だから今後私は自分の現状に満足することなく何かに挑戦し続け変わり続けることを大切にしていきたいです。

 

 

 

 

 

社員さんやパートさんなどの従業員さんが気兼ねなく話せるという環境があります。

直接配送できるお店には社員さんや従業員さんが直接配送しに行くので、現地の声が直で入ってきています。現地の声を聴いて実際の商品開発に生かすということをしているので、会社にとって現地の声というのは非常におおきなものなのです。その現地の人の声を聞き逃さず、消費者のお菓子屋さんのサポートをより正確に行うために、社員やパートさんなどの従業員さんはコミュニケーションをとっています。これは大きい会社では到底できない、このような会社の大きなアドバンテージになっているのだと感じました。

 


 

 

 

 

私が愛起さんに訪問させてもらって印象に残ったことは、古くからのケーキ屋さんとの繋がりです。創業74年の愛起さんが約50年前にお菓子のパッケージに力を入れてから、様々なケーキ屋さんと取引をしてきました。その中で得た繋がりを頻繫に直接会いに行くなどして、大切にすることで、信頼を得続けています。それにより、その会社が他の会社に薦めるなどして、新しい依頼をもらったり、その会社で修行していた人が新しく店を開く際に、取引先として選んでもらったりします。

このように、古くからコツコツと積み上げて来たものが70年後の今に活きていて、自ら依頼を貰うために動かなくても、どんどん新しい依頼や会社に広がっていくことが印象に残りました。こうした愛起さんの地道な努力を私も見習って小さな努力を惜しまないようにしたいです。

 

 

 

 

 

 

私は、愛起さんが取引先との距離の近さを大切にしていることが一番印象に残りました。愛起さんは、自社物流網をひき、取引先への営業と配送を同じ社員が行っているので、取引先と顔なじみになりやすく、取引先の不満や、ニーズを営業が直接聞いてくるので、市場調査などを行う必要がありません。また、会社全体で一日100件以上の取引先に伺っているので、常に新しい市場ニーズや、情報が会社に入ってきます。

近年、インターネットの普及により、こういった対面によるコミュニケーションが疎かにされている中で愛起さんは、対面のコミュニケーションをとても大切にしています。私は、こういった愛起さんの姿勢が、東海地方のお菓子屋さんや、パン屋さんに長年にわたって愛されている秘訣であると感じました。私も愛起さんの姿勢を見習い、対面のコミュニケーションを大切にしていきたいです。

 

 


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■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2023年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで