岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【山眞産業株式会社 花びら舎】 - 東海ヒトシゴト図鑑

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【山眞産業株式会社 花びら舎】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【山眞産業株式会社 花びら舎】

岐阜大学社会システム経営学環の2023年度1年生32人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:平出 眞
事業内容:製菓食品原材料・加工食品・業務用食材・関連資材の卸売
業種:メーカー業
住所:愛知県名古屋市西区花の木二丁目22番1号
WEB:https://www.yamashin-sangyo.co.jp/
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学生)
現在の事業を始めたきっかけはなんですか。
山眞産業株式会社花びら舎:平出社長

最初は寒天の卸問屋から始まり、創業から68年たっていますが、桜から始まる花や葉と地産果実のスイーツ素材を製造することがメインになってからは10数年しか経っていません。こうした理由の一つに「ニッチ市場で競争相手がいなかった」ことがあげられます。前例がないものを生み出していくのはとても難しいことです。しかし、先駆者として市場を自分たちで創り出すことで、トップ企業になれると考えました。

 

 

学生)
ユニークな商品を扱われていると思いました。商品を広報する際に気を付けていることは何ですか。
山眞産業株式会社花びら舎:平出社長

桜に特化した商品は主に、カタログや業界専門誌、展示会等で情報訴求していますが、使用の前例が少ないため会社側から具体的なレシピや用途を提案しています。創業以来続く寒天のレシピを参考にしたり、栄養学・調理学を学んだ開発スタッフが新たなレシピを考案したりすることで「この商品はこうやって使うことができる」ということを示しています。そうすることで食用の桜を使ってくれる人が増えると考えています。

 

学生) 

SDGsにも取り組まれているとのことですが、SDGsに注目したきっかけは何ですか。
山眞産業株式会社花びら舎:平出社長)
SDGsが近年注目されていますが、国連で採択するよりもずっと前から実践していました。四半世紀前に商品として販売不可能になった桜葉を細かく刻み桜葉ミンチとして新しい商品に生まれ変わらせました。この桜葉ミンチが誕生したエピソードはSDGsの「18.作る責任、使う責任」に該当していることが分かったのです。したがって、我々はSDGsの項目に当てはまる活動をすでにしていたのです。現在では、さらに活動の幅を広げ、SDGsと
まちおこしをつなげた取り組みを推進しています。

 

 

 

 

 

 

 

「喜びの花を咲かせよう」という企業理念のもと、食と暮らしを花でつなぐ新たなスタイルを生み出しているところに他の企業にはない取り組みが感じられます。創業当初は寒天から始まり、桜素材の商品を生み出して今では桜のみならず、四季折々の素材を使って幅広い商品展開をしています。桜をはじめ、紅葉、ハイビスカス、バタフライピー、バラ等々食用としてはややイメージが湧きにくい素材を活用してこれほどにも多くの商品を展開している企業は他にはないでしょう。

また、東海エリアを中心に地産農産物を使った商品開発等も行っていて生産者の方々との繋がりも大切にしながら桜をはじめとした多くのスイーツ素材を開発しているところに人々は惹かれるのだと思います。多くの商品を展開する上では、安心・安全な素材にこだわったり、農業そのものの在り方を考えたりすることも大切です。これが世間から愛され、信頼される商品を生み出すことに繋がっているのだと思います。このように、人々が「見て楽しい、食べて楽しい」を実現しているところが山眞産業株式会社花びら舎さんの魅力だと考えました。

 

 

 

 

 

食用桜市場は日本の農業従事者の高齢化の問題を抱えています。後継者難で危機的状況の中、食用桜の栽培の状況はさらに深刻です。山眞産業株式会社花びら舎さんは農業生産法人との農商工連携、地方の過疎・高齢化に対応した活動を目指しています。さらに、桜文化を守るため、自ら桜産地づくりに挑戦しています。また、世界的な気候変動による不作も起きるようになり、その対策として既存産地とは全く異なる場所でも栽培しています。この食用桜栽培の取り組みは、地方の活性化とSDGsの推進に貢献するものでもあります。

日本の象徴でもある桜を海外へも発信・展開していくことやSDGsの取り組みが評価されることで、食用桜市場の抱える問題解決に共感・賛同する人々が増えていくと考えました。私自身、今回の取材で桜市場の潜在能力や桜の持つ影響力の大きさを実感しました。こうした潜在能力を活かして、日本の桜文化を守っていく文化が根付くと良いなと思いました。

 

 

 

 

 

最も印象に残ったことは、市場を自ら創り出していたことです。昔は、食用の花や葉の需要はあまりありませんでした。その状態から山眞産業株式会社花びら舎さんは、花や葉、地産果実のスイーツ素材の用途を提案し続け、今では有名な和菓子屋やお菓子メーカーなど様々な顧客に製品を求められる企業へと成長したのです。

ビジネスを成功させようと考えたとき、どうしても世間の流行に乗ったものが良いと考えがちです。しかし、真に力のある企業とは山眞産業株式会社花びら舎さんのような、事業に前例が無いというリスクを理解しながらも、隙間産業のニッチトップを目指して挑戦し続けることのできる企業なのだろうと学びました。平出眞社長からは「海外市場にも進出したい」というお話もあり、日本のみならず世界にも市場を広げていく姿に今後も注目です。

 

 


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■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2023年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで