2024年02月08日(木)
地域で活躍する若手の葛藤とやりがい ルーキー・オブ・ザ・イヤー inLOCAL2024 実施レポート
2024年02月08日(木)
■メディアにも掲載されました!
▼船橋の大谷さんが大賞受賞 「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」で(2024年2月19日 中部経済新聞)
Web版はこちら:https://www.chukei-news.co.jp/news/2024/02/19/OK0002402190301_03/
▼仕事の積み重ね、町の未来に 多治見のエネルギー事業会社の新人、取り組みが評価(2024年2月15日 中日新聞)
Web版はこちら:https://www.chunichi.co.jp/article/853790
地方創生やまちおこしの分野はメディアに取り上げられやすく、自分も地域活性化に関わる仕事をしたい!と考えている方も多いのではないでしょうか?しかし注目されてるのは会社の代表ばかりで、実際に現場で試行錯誤をしている社員のリアルな姿を目にする機会は少ないと感じます。
ローカルで活躍する若手社会人の話を聞いてみると、共に働く同期が少なく相談相手がいなかったり、自分のやってきたことがほかの会社でも通用するのか不安になるという声も聞かれます。一方で自分の意思と覚悟を持ってローカルに就職している人も多く存在します。
そんな全国のローカル企業で働く若手社員が仕事のやりがいを発表し、活躍している様子をプレゼン。地域で主体的に働く若者にスポットライトを当てることを目的とした第1回ルーキーオブザイヤーinLOCALを宮崎県日南市の株式会社ことろどさんと共同主催しました。
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当日は40名を超える参加者でにぎわい、ルーキーや参加者からはこんな声をいただきました。
- 「自分が事業責任者として考えている同世代と会って、視座がとても上がった。」
- 「自分がやってきたことの棚卸しになり、作る過程でやってきたことが地域にとってどんな役に立ったのか納得できるようになった。」
- 「ロールモデルが見つかった。」
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東海地域にもローカル企業で日々頑張っている若手社員さんがいます。本レポートではそんな彼らは何に取り組み、地域で頑張る根底にどんな想いがあるのか。ルーキー・オブ・ザ・イヤーで語られたプレゼンを一部ご紹介し、地域で挑戦をする魅力を探ります。
1.大賞受賞 | 船橋株式会社 大谷真奈美さん
夢を語る大人はカッコいい。説明会のブースでたった1人に対しても必死に語る社長についていった6年間
トヨタのCMに出るようになって、同級生の目は180度変わった。
北海道出身、北海道を出たくて名古屋の大学に進学しました。地元を出ることに対しては両親から心配されましたが、父には「トヨタ自動車があるから」と説得。
そんな私が就活中に参加した中小企業の集まる合同説明会で出会ったのが船橋社長でした。ブースにたった1人しか学生がいない中でも、懸命に話す社長に惹かれて入社を決めました。
そんな船橋株式会社は、the老舗中小企業で、男性は出荷、女性は事務とお茶くみという会社でした。社長が突っ走り、社員は置いてけぼりになるという環境の中で、社長の右腕として様々な挑戦をしてきました。
その挑戦の1つが外部人材と共に立ち上げた新規事業。コロナ禍で医療現場でガウンが不足していると聞きつけ、すぐに商品づくりを始めました。広報施策の1つとして書いたプレスリリースが起点となり、メディア掲載がない合羽屋が段々と取り上げられるようになりました。そんなニュースが世界のトヨタ自動車の目に留まり、ガウン製作に加わることに。生産量は100倍に、地域の企業7社とも合同で製造を行うことになり売り上げは5倍になりました。その結果、弊社に豊田章男さんが激励に来てくださいました。
社員との溝。陰口を言われ、自分だけが呼ばれない飲み会もあった。それでも…
現在は人事担当もになっており、新卒採用も行っています。そんな私が新卒選考で採用した部下は、入社直前に他部署に配置換えになったり、自分だけが呼ばれない飲み会があったり、会社の組織図では社長と自分だけが独立した部署になり、まるで卒業アルバムの撮影日に欠席し、端に合成された写真のような配置になるなど、他の社員との間には溝が大きい時期もありました。。しかし私が採用した新入社員たちは各部署の主力メンバーとなり活躍し、創業100年を迎えた昨年には、会社のリブランディングをし、新工場も完成しました。老舗企業も6年でこれだけ変われるのだ、ということは今後多くの中小企業の希望になれると信じています。夢を語る大人はカッコいい。これが私が6年間右腕を続けてこられた理由です。
■船橋株式会社について
・創業:大正10年(設立 昭和26年10月)
・従業員数:39名
・所在地:愛知県名古屋市
・事業内容:合羽、防水エプロン 製造・加工・販売
2.共感賞受賞 | 株式会社エネファント 増田悠作さん
上司と一緒に客先に謝罪へ行った回数は13回、誰よりも怒られながら泥臭く頑張ってきた4年間
大学では都市情報学部に所属し、まちづくりを学んでいました。「地域で面白いことに関わりたい」と考えていた時に出会ったのがエネファントです。「多治見を日本1電気の安い町にしたい、電気代が安くなると人の暮らしや企業活動が集まってくるのではないか」という社長の想いに共感し、入社を決めました。
入社後は1年目はカーポートの設置を進める営業担当として、地域の方のお宅を回り防災拠点として無料設置を進めました。2年間で48軒を担当、大規模な災害時に150軒の電気をまかなうことができる発電量に繋がります。その2年間は沢山怒られた期間でもあります。
上司と一緒にお客様のところへ謝罪に行った回数は合計13回。
泥臭いけれど、「まちの変化」が目に見える仕事。
1件の取り付けも大変なことが多く、とても泥臭い仕事です。しかし、地域のエネルギーインフラを支えるこの仕事の出発点は、いつも「目の前のあなた」です。その1件1件が積み重なって、今では町を歩くときに自分が携わったカーポートを見かける機会が増えました。まちの変化を日々体感できるのが今の仕事をやっているやりがいです。今後は自分の地元やほかの地域に展開していきたいと考えています。
■株式会社エネファントについて
・設立:2011年
・従業員数:20名
・所在地:岐阜県多治見市
・事業内容:太陽光パネル販売・施工事業、小売電力業、コンサル事業、蓄電池販売・施工業
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地域は人口減少の最前線にあり、課題が多い環境です。しかしその課題を面白がり、自分自身ができることを探しチャレンジすると、その結果キャリアをつくることに繋がっていくということをお二人のプレゼンから感じることができました。そして、若手社員のキャリアに対する責任を個人に任せることなく、会社が・経営者が一緒に考えることが、結果として企業にとっても社員個人にとってもより良い環境や未来を作っていくのだということも大きな学びとなりました。
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■今回紹介した若手社員さんに会える!
今回のレポートでご紹介した株式会社エネファントの増田さんも登場するトークセッションイベントを開催します。本イベントでは増田さんに加えて2名の先輩社会人が登壇予定!なぜ地域の中小企業を就職先として選んだのか、入社後のやりがいや楽しさは何かといった光の側面だけではなく、キャリア不安など影の部分にも踏み込んでお話いただきます。
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