岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【名古屋紡績株式会社】 - 東海ヒトシゴト図鑑

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岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【名古屋紡績株式会社】

岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-【名古屋紡績株式会社】

岐阜大学社会システム経営学環の2023年度1年生32人による「東海ヒトシゴト図鑑学生編集部」から4人が共に挑戦したくなる中小企業を取材!見つけた魅力をご紹介します。

-企業概要-
代表者名:平野 泰裕
事業内容:生地や衣料などの企画製造・卸売
業種:メーカー
住所:愛知県名古屋市中区錦三丁目5番27号 錦中央ビル5階
WEB:https://nagoyabo.co.jp/
訪問企業をより詳しく知りたい方は写真をクリック!

 

学生)
名古屋紡績での仕事のやりがいは何ですか。
名古屋紡績:平野社長)

社長という立場から言うと、社員の成長を肌で実感できることは、とてもやりがいを感じられる部分です。もともと教育に関心があったので、運良く社長として社員の育成に携われたことを嬉しく思います。
また、名古屋紡績は中小企業なので、社員にとって他の大企業と比べると当事者意識を持って仕事に取り組みやすく、自分の実力がストレートに反映されるので、やりがいを感じられる場面が多いです。

 

 

学生)
強みや誇れる点について教えてください。
名古屋紡績:平野社長)

強みは社内に糸や生地のプロフェッショナルがいることです。ほかのアパレルブランドよりも高いクオリティの生地で、海外のハイブランドに生地を直接販売するなど積極的に挑戦しています。海外との取引は、日程の兼ね合いなど難しい部分もありますが、名古屋紡績で扱っている生地がパリコレに出たこともあるなど、名古屋紡績の仕事の丁寧さや加工技術は海外でも高い評価を得ています。

 

 


学生)
新たな顧客の獲得のための取り組みを教えてください。
名古屋紡績:平野社長)
新たな顧客を見つけるために営業に力を入れており、その主な取り組みは3つあります。1つ目は海外進出で、名古屋紡績の高い技術力を高く買ってもらえる相手を探しています。しかし、何度も現地に赴き営業を行うのは厳しいため、現地にいるスタッフに販売を委託するなどの代行販売で対応しています。2つ目は、生地のブランド化です。これにより取引先とのやり取りがスムーズに行えるようにしています。3つ目は展示会への参加です。近年はブランドのブースづくりを若手の社員が担当しています

 

 

学生)
名古屋紡績と介護施設であるケアベルデの社長を兼任していますが、兼任していることでのメリットを教えてください。
名古屋紡績:平野社長)
ケアベルデでは社長自身が思い描いているような経営をすることができていて、この経営での成功事例を紡績業に活かすことができるというメリットがあります。名古屋紡績の社長になって間もないですが、冷静に会社を見つめることができるということと合わせて、兼任することでより良い経営をすることができるようになるのではないかと考えています。


 
 
 
 
 
 
創業から73年の歴史を刻んでいる紡績会社と言われると、既存の顧客との繋がりが強く、構築されたビジネスモデルを堅実にこなしていると思っていました。しかし実際にお話を伺ってみると、今までの型を破り、新規の顧客の獲得に奮起していました。さらに、老舗でありながらも革新的で、今まで築き上げてきた技術力を武器に様々な企業努力を経て、顧客のターゲット層を海外にまで広げているのが印象的でした。

「10年かけてでも海外で生地を売り続けることができるように努力したい」という心構えなどにもみられるように、名古屋紡績のように何十年後のビジョンを見据えて進んでいく企業の姿は、同業他社にも大きな影響を与えるのではないかと思いました。


 

 

 

 

私の最初の名古屋紡績の印象は、「昔ながらの堅苦しい経営を行っている真面目な会社」でした。しかし、今回の企業訪問を通して行った取材を経て、そのイメージが一変しました。大きな理由は、昨年就任された新社長の存在でした。私にとって彼は、最初の名古屋紡績の印象に合う社長とはかけ離れた人物でした。というのも、今どきのIT社長のような柔軟で自由な発想をする人に感じたのです。紡績会社だからといって紡績だけにこだわらず、リサイクルレザーの新規事業を行ったり、産学連携を進める姿に感動したし驚かされました。

さらに、もともと教育に関心があった社長が、社員を育成して彼らの成長を感じられることが仕事の一番のやりがいだとおっしゃっていました。会社の繫栄よりも社員の成長が嬉しいと言う社長には初めて出会ったので、とても印象に残りました。新社長率いる名古屋紡績の更なる発展に期待したいです。


 

 

 

 

中小企業は大企業とは戦っている土俵が異なり、他には負けない高い技術力を持っており、それで戦っています。紡績業は徐々に衰退してきていて、これまでの経営をしているだけでは不十分で、これまでとは異なる時代に合わせた新しい経営をしていかなければなりません。名古屋紡績が新たな経営を目指している理由として自分が最も感じた事例はこれまでの人事評価とは異なる新しいことに挑戦する人を評価する人事システムの導入を検討していることで、社員が新たなことに挑戦しようと思える仕組みになっていると感じました。

また、ケアベルデという介護会社の社長も兼務していて、そこでの成功事例を紡績業に活かすという、他には中々ないことを活かして、経営をしていることに、とても興味を持ち、これまでなかったことをしていくことがこれからの時代では大切であると感じました。


 

 

 

 

今回の企業取材を通して、名古屋紡績の誇れる点、また中小企業であるからこその強みについて知ることができました。大量生産型の大型アパレルブランドの登場などにより傾向が変化し、最近では右肩下がりとなっているアパレル市場ですが、そのような中でも名古屋紡績はこだわりを持ってクオリティの高い生地を提供し、高い評価を得続けています。

いったいなぜそのようなことができるのでしょうか。糸や生地のプロフェッショナルがいて、高い技術を持っていたり、海外への積極的な挑戦の姿勢、また中小企業がゆえの社員の実力の反映のされやすさなどがその主な理由となっていることがわかりました。またほかの企業には負けないという圧倒的な自信もとても印象的でした。

 

 


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■「東海ヒトシゴト図鑑×岐阜大学 岐阜大学生とつくる企業図鑑-2023-」プロジェクト概要
・実施主体 岐阜大学、NPO法人G-net
※岐阜大学社会システム経営学環2023年度前期1年生向け「初年次セミナー」(指導:髙木朗義教授)にて実施
・実施期間 2023年度前期

■本取り組みへのお問い合わせ
NPO法人G-net(担当:掛川、志知)まで