2026年07月02日(木)
現場の 「命」と「誇り」を守る 合羽屋の挑戦
2026年07月02日(木)
01 放置された現場|過酷な環境を「我慢」に委ねない
警察、消防、建設現場、漁港、食品工場。私たちの社会は、どんな天候でも仕事を止められない人たちによって支えられています。しかし、こうした現場は機能が極めて特殊で、市場規模も限られるため、大手メーカーなどは採算性を理由に参入しにくい領域なのだそうです。その結果、働く人々が不便やリスクを「個人の我慢」や「古い慣習」で乗り越えるしかないという、放置された課題があります。 船橋株式会社が向き合っているのは、こうした「誰かがやらなければならないのに、置き去りにされている現場」です。

02 挑戦の基準|「儲かるか」ではなく「船橋らしいか」
同社の判断基準は、常に「困っている人がいるか」にあります。例えば、コロナ禍で防護ガウンが不足した際、国内縫製の強みを活かして急ピッチで生産ラインを立ち上げたエピソードを伺いました。また、原子力発電関連の企業から届いた「放射能環境下で作業するエンジニアのための防護スーツを作ってほしい」という難易度の高い依頼にも、「必要とされているなら向き合う」と決断し、試作品を完成させたといいます。 「誰もがやりたがらないことに挑む。それによって現場の人が笑顔になるなら、やる価値がある」という舟橋社長の強い信念が、同社の活動の軸になっています。
03 ボヤキを形に|働く人を「輝かせる」モノづくり
船橋らしさに重きを置いた製品開発を支えているのが、現場の「ボヤキ」を拾い上げる実直なスタイルです。「もっと動きやすく」「蒸れを改善してほしい」といった切実な声を、技術で製品へと繋げています。

実際に漁師さんなどの声を聞いて開発されたのが、漁師専用のカッパや食肉工場用の防水エプロン、高い透湿性を備えた『FUNTEX』シリーズ、フルハーネス対応の安全レインです。 これらは単なる作業着ではありません。「滴(テキ)の中で働く人を活き活きと輝かせる」というビジョンのもと、働く人が誇りを持てる製品を届けることで、現場の環境を変えようとしています。
04 意志ある成長|社員の「will」が原動力
この製品開発・販売の現場を支えるのは社員一人ひとりの主体性だと社長は仰っていました。「幸せは与えられるものではなく、自分で感じるもの」という考えのもと、同社では個人の「やりたいこと(will)」が尊重されています。「なぜここで働くのか」を自らに問い、自分の意志で「どうすればもっと良くできるか」を考え、試行錯誤を繰り返す。社員が自走して「できること(can)」を増やしていくプロセスが、結果として社会に安全・安心を届ける高品質な製品を生み出す原動力となっていると感じました。
! 学生の声:注目ポイント!
取材を通じて、企業の「あり方」そのものが社会貢献に繋がっている点に感銘を受けました。
- 「命を守る」という覚悟ある決断
防護スーツのエピソードにあるように、他社が避けるような困難な現場を「自分たちの出番だ」と捉える姿勢に、プロとしての誇りを感じました。 - 「幸せ」を自らつくる人材育成
幸せは「もらえるもの」ではなく「自分で感じるもの」という言葉が印象的でした。個人のやりたいことを尊重し、それが誰かの一日を支える製品づくりに繋がっていく仕組みは、非常に魅力的なモデルだと感じました。
複数大学のゼミが連携し、フィールドワーク(取材)・記事作成に取り組む「ゼミ横断型フィールドワーク」
活動の一環で学生が主体となり作成した記事です。
・連携ゼミ:愛知淑徳大学 ビジネス学部 渡邉ゼミ








